おなじ大きさぐらいの赤い粒々がたくさんあります。はて、なんでしょうか。筋子でしょうか。梅干しでしょうか。それとも赤血球でしょうか……。
水槽に入ったミニトマトです。夏まつりの屋台として出されているもの。1回300円で、金魚すくいとおなじような紙を張ったポイがお店からあたえられます。この日の最高記録は37個だったとのこと。
金魚すくいは、すくう対象が動物だけに、屋台を出す側にとっては管理に手間がかかるし、遊ぶ側にとっても家で飼うのがややわずらわしい。スーパーボールすくいは、たくさんすくってもお得感を得づらい。
その点、ミニトマトすくいは、すくったら、その場でも家でも食べることができます。何時間か水に浸けている程度であれば、衛生面もそれほどは問題にならなさそうです。
ごく最近ミニトマトすくいがやられはじめたのかというと、発想そのものは数年前からあったようです。2011年9月、「コミュニティみやぎ野菜ソムリエの会」という団体が、「お野菜縁日」という催しもので、子ども用プールを使ったミニトマトすくいを出しものにしたという記録が残っています。
すくった数種類のトマトに溶かしチョコレートを食べ、「大盛況」だったとのこと。ミニトマトをくだもののように扱っている点に、この団体の本気がうかがえます。
「まるい粒々としたものをすくう」となれば、栄枯盛衰はなはだしいタピオカを水に入れて「タピオカすくい」をしたらどうかという発想も人は考えそうです。
案の定、実際に人びとは「タピオカすくい」をやっています。水槽にミルクティーを入れてタピオカを浸す人もいますが、タピオカが見えないため、すぐ水に切りかえています。
しかし、タピオカはミニトマトより軽く、粒径も小さいもの。さまざまなタピオカすくいの映像からは、どんどんすくえてしまうようすが見てとれます。“軽いノリ”といったところ……。
ミニトマト1個の直径は3センチメートルほどで、重さは12グラムぐらい。いっぽう、タピオカ1粒の直径は1センチメートルほどで、ゆでたときの重さは1グラムぐらい。「何々すくい」には、紙が破れるか破れないかぐらいの適度な大きさと重さも大切な要素なのでしょう。
参考資料
コミュニティみやぎ野菜ソムリエの会 2011年9月4日付「料理研究部会はトマトすくいで大盛況!!」
https://blog.goo.ne.jp/vfcmiyagi/e/120522bc7832208147ef7f6ded50a40c
サカタのタネ 園芸通信「ミニトマト キャロル7」
https://sakata-tsushin.com/oyakudachi/directory/vegetable/004647.html
タピオカエクスプレス「クイック3kgは約100杯分なのに生は約150杯分?」
https://www.tapi-ex.com/contents/news/news_1278906361.html