写真作者:SLTc
車が走る道路の交差点を「環状交差点」にしていこうとする動きがあるようです。
環状交差点とは、十字路、三叉路、五叉路などの道路が交わる部分を、一方通行の小さな環状道路にするもの。この環状交差点に侵入しようとする車は、環状道路の手前で一旦停止し、環状内を走る車を譲りながら、環状内の流れに入っていきます。そして、出たい道路へと出ていきます。十字路を直進したいときは環状道路を180度分、またおなじく左折したいときは90度分、走ることになります。
環状交差点に入っていく車は減速するため、交差点での出あいがしらの衝突事故を防ぐことができます。また、信号がないため、停電したとき混乱しないといった利点もいわれています。
日本では2013年6月に道路交通法が改正され、2014年9月から本格的に導入されはじめました。だいたい全国の都道府県に1個以上はあるようです。群馬県では、(2018年)9月27日(木)、県内初の環状交差点が安中市のJR安中榛名駅前につくられ、路面に「止まれ」でなく「ゆずれ」と書かれたことで話題になりました。
環状交差点をとりいれようとしている自治体のなかには、配送業者から「荷台の水槽に入れている魚がこぼれたりしないかね」といった心配の声もあがっているようですが、まず問題なさそうです。
自動運転車は、環状交差点をなんなく通れるのでしょうか。
ダイムラーは技術に自信をもっているようで、たとえば「S-Class S 500」という型のベンツが、環状交差点の自動走行をおこなうことを紹介しています。
自動運転車に環状交差点を走らせるには、学習させることが求められるようです。たとえば、KDDI総合研究所と北海道大学は、ほかの車と強調するといった動作を分割し、そのひとつひとつごとに深層学習を使って動きを学習させ、それらをつなぎ合わせることで、環状交差点にも対応させるように研究しているといいます。
環状交差点、だんだんと広まっていくでしょうか。
参考資料
読売新聞 2018年9月27日付「初のラウンドアバウト『止まれ』を『ゆずれ』に」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180927-OYT1T50033.html
Daimler “Pioneering achievement: Autonomous long-distance drive in rural and urban traffic - Mercedes-Benz S-Class INTELLIGENT DRIVE drives autonomously in the tracks of Bertha Benz”
https://media.daimler.com/marsMediaSite/en/instance/ko/Pioneering-achievement-Autonomous-long-distance-drive-in-rur.xhtml?oid=9917578
ITmedia 2017年10月3日付「道を“譲り合う”自動運転技術、KDDIと北大が開発」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/03/news053.html