一部の報道で、経済産業省が「プレミアムフライデー」として推奨している金曜の午後休の かわりに、月曜日の午前休を推奨しているといいます。その報道の見だしには「シャイニングマンデー」というよび名の案も出ており、インターネット上での人びとの反応はかなりのものになっているようです。
経済産業省の担当者が、月曜の午前休を「シャイニングマンデー」とよぶことを提案しているのでしょうか。実際、テレビ朝日の(2018年)7月31日(月)付のニュース動画では、同省の消費・流通政策課の課長が取材に応じ、つぎのように話しています。
「観光地まで行って、月曜の朝に帰ってくる。または子どもたちと夜遅くまでテレビを見たうえで、月曜日はゆっくりと過ごしたうえで会社にくるという働きかたができるかと思っています」
「1週間の始まりでありますので、『シャイニングマンデー』ということで、輝かしい1週間の始まりを表すようなことばではどうかというようなことも、ひとつの案として出てきているところです」
経済産業省の担当者が「シャイニングマンデー」と口にしているのは事実でした。ただし、「シャイニングマンデー」は「ひとつの案」とのこと。“信じられなさ感”などが手伝って「シャイニングマンデー」ということばだけがひとり歩きしそうな状況です。
むしろ指摘すべきは、そのひとつ前の段落に掲げた担当者の発言内容ではないでしょうか。「子どもたちと夜遅くまでテレビを見たうえで、月曜はゆっくりと過ごしたうえで会社にくる」と言っています。しかし、子どもたちは体調を悪くしたり、特別な事情がなければ、月曜の朝から学校があるでしょうに。「月曜、子どもは眠さのなかで登校し、親は午前半休をとって午後から出社」といったことになるでしょうか。
「シャイニングマンデー」に人びとがよく反応しているのは、多くの人が「月曜午前に会社へ行くのは辛い」という実感を抱いているからという理由もあるのではないでしょうか。
日曜の夜、遅くまで遊んだり、仕事をしていなかったりすれば、翌朝、仕事をするのは辛くなります。統計を見ているわけではありませんが、月曜の午前に有給休暇として半休をとる人は、平日5曜日の午前・午後のなかではもっとも多いのではないでしょうか。ただし、その半休のとりかたは、前週から「半休をとります」と伝えておくのでなく、月曜の朝ややどきどきしながら電話などで上司に「きょう午前半休をとります」と伝えるといったものではないでしょうか。
そうした「月曜午前」をとったことのある経験者は、政府から「シャイニングマンデー」などとよばれて推奨されなくても半休をとっているわけですから「なんともやるせない」と感じること人も多いでしょう。
参考資料
ANNnewsCH 2018年7月31日付「経産省担当者『シャイニングマンデー』について語る」
https://www.youtube.com/watch?v=lmbNAYGhw8I