2016.05.31 Tuesday
文字そのものをデザインの要素にしてしまう
画像作者:kristine oplado
雑誌やポスターなどのデザインでは、予算がかぎられていて、イラストや写真をたくさんは使えないというときがあります。しかし、だからといって文庫本のように、たんなる本文の字を並べるわけにはいかないということも。そこで、発想や工夫でどうにか予算難を克服することが検討されます。
ほとんどの雑誌やポスターでは、内容を伝えるために文字が使われることになります。そこで、「文字そのものをデザインの要素にしてしまう」という発想が起きてきます。
たとえば、インターネットのイメージ検索で「文字だけのデザイン」と入れると、実際に文字にかかわる工夫や発想によってデザインされているものをいろいろ見ることができます。
「文字にいろいろな色をつける」というのは、文字だけのデザインにかぎったことではありませんが、有効な方法になります。
長方形をなしている誌面あるいは画面に対して、「文字を斜めに配置する」というのも、見る人に変化の印象をあたえることにつながります。
それぞれの文字にはなんらかの書体が使われており、それ自体がデザインの要素といえます。さらにその「書体を個性的なものにする」ことで、ほかのデザインと差別化をはかることもできます。
日本語や中国語の漢字は、それぞれに意味をもった「表意文字」です。そこで、「その漢字の意味するところを利用する」ことで、趣向を凝らすこともできます。
こうした、文字そのものをデザインにしてしまうという手法をとってみても、「それをする意味はどんなものなのか」や「どうしてそうすることが効果的なのか」といったねらいがはっきりしていると、見ている人にとってもなんとなく腑に落ちるものとなるのでしょう。