2014.11.30 Sunday
インフルエンザ、毎年死者はなくならず
インフルエンザが本格的に流行する季節をむかえようとしています。
過去の患者数の推移を見ると、12月から増えはじめ、1月または2月に患者数の頂点をむかえる年が多くなっています。なかには、2009年に「新型インフルエンザ」ともよばれたA型H1N1亜型インフルエンザの流行により10月から12月に患者数が多かったという年もありますが。
インフルエンザに感染する人は、日本では毎年1000万人ほどいるとされています。12人に1人は感染するという計算です。
インフルエンザウイルスに感染することで死亡する人も、毎年います。その数は、2013年からの10年では161人から1514人とされています。毎年、死亡者が出ているわけです。
年代別の死亡者はというと、例年では、やはりお年寄りが多いようです。年によって異なりますが80歳代の死亡者数が最も多く、また、90歳代、70歳代の死亡者数も多くなっています。ほかの世代では、0歳から4歳の乳幼児も、これ以外の世代にくらべて多くなっています。
しかし、2009年から2010年の新型インフルエンザが流行したシーズンではこのかぎりではありません。2010年3月30日の時点で、たしかに70歳から79歳で23人、80歳以上で22人の死亡者がいますが、40歳から49歳で31人、50歳から59歳でも31人と、上回っています。
インフルエンザの死亡者数には、「超過死亡概念」という考えかたによる死亡者数もあります。超過死亡概念とは、インフルエンザが流行したことによって、直接的または間接的にインフルエンザや肺炎などでの死亡が増加することを指すものです。仮にインフルエンザワクチンの有効率が100%であったとしたら、ワクチン接種によって回避できたであろう死亡数を意味しています。
この超過死亡概念での死者数でいうと、日本では例年およそ1万人の死亡者がいると考えられています。
参考資料
社会実情データ図録「インフルエンザによる死亡者数の推移」
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1955.html
厚生労働省「日本におけるインフルエンザ A (H1N1) の死亡者の年齢別内訳/死亡例まとめ(平成22年3月30日現在)」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/rireki/100331-03.html
厚生労働省「新型インフルエンザに関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html