2013.05.31 Friday
「芋、麦、蕎麦…、風味を際立たせる技術とは」
日本ビジネスプレスのウェブニュース「JBpress」で、きょう(2013年)5月31日(金)「芋、麦、蕎麦…、風味を際立たせる技術とは 進化する焼酎(後篇)」という記事が配信されました。この記事の取材と執筆をしました。
焼酎は、日本の代表的な蒸留酒。その起源は、はるかシャム(いまのタイ)にあったといわれています。タイの蒸留酒が16世紀ごろに琉球国(いまの沖縄県)に入り「琉球酒」とよばれるようになりました。この酒は後に「泡盛」とよばれるようになった酒と考えられます。そして、琉球国との人の行き来がさかんだった薩摩国(いまの鹿児島県)に持ちこまれ、これが焼酎とよばれるようになったと考えられています。
このような焼酎の歴史を、前篇の記事で追いかけています。
きょうの後篇では、明治時代以降の焼酎のつくりかたの進歩を追いかけています。
焼酎をよく店で手にとる人は、ラベルに「甲類」「乙類」と記されているのを見たことがあるでしょう。「甲類」と書かれた焼酎の源流にあるのは、19世紀末に日本に持ちこまれた「連続式蒸留機」という機械によりつくられた「新式焼酎」という酒です。
「連続式」とあるように、このつくりかたでは、蒸留をくりかえしていきます。蒸留をすると、醪とよばれる液は、含まれている糖分や酸などがとりのぞかれ、より純粋な液になります。これを何度もくりかえすため、新式焼酎あるいは甲類焼酎は、従来のつくりかたにくらべてとても純粋なアルコールになります。
いま、新式焼酎の流れ受ける甲類焼酎は、ウーロン茶や果実液で割って飲む酎ハイに使われることが多くあります。いっぽう明治時代以前からあったつくりかたによる乙類焼酎は「本格焼酎」ともよばれ、ロックや水割りなどで飲むことがあります。
取材した宝酒造宝酒造技術・供給本部蒸留技術部の担当者の方によると、乙類(本格焼酎)については、芋や麦などの原料の特性を味わってもらいたいので、ジュースで割るようなことはせず、水割りやお湯割りなどで飲んでもらうとよいのではとのこと。
いっぽう、甲類焼酎については、酎ハイ向けにジュースなどで割るものもありますが、味の強いものは水割りやオン・ザ・ロックなどで楽しんでもらえればととのことです。
さまざまな飲みかたで楽しむことができるのも焼酎という酒の特徴でしょう。
記事では、芋や麦や米などの主原料の素材を活かすためのさまざまなつくりかたの工夫を紹介しています。「芋、麦、蕎麦…、風味を際立たせる技術とは 進化する焼酎(後篇)」はこちらです。