2012.08.31 Friday
四つの主要部材制覇に貢献、三菱化学――リチウムイオン電池正極材のメーカー動向(6)
リチウムイオン電池の正極材としてマンガン系材料に力を入れる企業は日本電工のほかにもあります。
三菱化学は、三菱ケミカルホールディングスに属し、素材などの製造や販売をおもな事業内容にしています。
歴史的には、1934年に日本タールの社名で創設されたのちの三菱化学と、1956年に三菱グループとシェルグループの共同出資で設立した三菱油化が合併し、1994年に三菱化学となりました。
三菱化学が属する三菱ケミカルホールディングスは、よく「リチウムイオン電池の主要四材料をすべて製造している企業」と紹介されます。正極材のほか、負極材、電解液、セパレータという材料の製造もカバーしています。
正極材関連事業の立ち上げは、これらの主要材料のなかでは新しく、2010年、岡山県倉敷市の水島事業所内で正極材製造工場が本格稼働し、量産体制に入りました。それまで三菱化学は、ハイブリッド自動車に適した高出力、かつ低コバルト含有比率の正極材を10年以上にわたり開発しつづけ、香川県坂出市の坂出事業所で量産化が医術の検討をしてきました。
負極材、電解液、セパレータに加えて、正極材の製造も加わったことで、三菱ケミカルホールディングスは、世界でも類のない、リチウムイオン電池の幅広い材料を扱うメーカーとなったのです。つづく。
参考記事
三菱化学 水島製作所 2010年4月「特集 三菱化学電池材料事業紹介」