2012.07.31 Tuesday
モバイル・デバイス・マネジメントでなくしたスマートホンを遠隔操作
会社が社員に仕事のためのものを貸しあたえることがあります。
むかしは会社が貸しあたえるものといえば制服でしたが、いまは携帯電話やスマートホンなどの電子機器を貸しあたえることが会社によっては当たり前になってきています。
会社が貸しあたえた電子機器には、使う社員が相手にしている顧客などの情報が入っています。社員がこの電子機器をどこかになくしてしまうと大事になります。実際、会社が「会社貸与携帯電話の紛失について」といったプレスリリースを出すこともあります。
2010年1月に電力会社がプレスリリースで発表した事例では、会社が貸しあたえた携帯電話1台が紛失し、このなかに「お客さまの社名、個人名、電話番号」27件が入っていたということでした。
会社が貸しあたえたものをなくすと、社会に公表することになる、たいへんな時代です。
社員が仕事用で使う電子通信機器をなくしたときなどに使われはじめた技術が、モバイル・デバイス・マネジメント(MDM:Mobile Device Management)です。
たとえばA社が、営業社員たちにスマートホンを貸しあたえたとします。ところが、ある営業社員が、顧客の情報が入ったスマートホンをなくしてしまいました。
このとき、A社がモバイル・デバイス・マネジメントのサービスに入っていれば、リモート・ロックという機能を使って、スマートホンの操作を無効にすることができます。
会社の情報管理者が、モバイル・デバイス・マネジメント用のサーバを使って、なくなったスマートホンに「出荷時の状態に初期化しなさい」などの命令を出すことができます。このスマートホンが命令を実行してみずからを初期化。これで、顧客の情報漏洩といった問題を防ごうとするわけです。
会社は、社員がスマートホンをなくしたときだけでなく、社員が会社の仕事とは関係ないアプリケーションなどを使っているときにも、モバイル・デバイス・マネジメントで問題のアプリケーションを強制的に除去することができます。
また、社員ひとりひとりに委ねていた電子機器内の情報の更新などを、会社が一元的に管理することもできます。
会社が貸しあたえるものは、原則的に会社のもの。その考えからいえば、会社が社員ひとりひとりに貸しあたえた電子機器の情報や内容を、会社が管理するというのは合理的といえます。
参考記事
ビジネスネットワーク「基礎から学ぶ『MDM(モバイルデバイス管理)ツール』の選び方」
中部電力 2010年1月20日「会社貸与携帯電話の紛失について」
参考ホームページ
アップルコンピュータ「iOSのモバイルデバイス管理について」