2011.04.30 Saturday
面積比はほぼおなじ、人工と非人工でわかれる――みどりを見つめる(15)
木の種類の分けかたに、「針葉樹」と「広葉樹」を区別する方法があります。“針”のようにとがった葉を付ける木が針葉樹で、“広”がった葉を付ける木が広葉樹です。
地球の歴史のはじめのころ、地球にいた植物といえばコケ類やシダ植物といった原始的なものでした。その後、地球に針葉樹が登場したのが、いまから3億年ほど前といわれています。また、広葉樹の登場は、いまから1億年から1億5000万年前とされています。
つまり、針葉樹、そのつぎに広葉樹の順で誕生したことになります。針葉樹のほうがつくりが単純で、広葉樹のほうがつくりが複雑であることからも、この順がうかがえます。
針葉樹林の森
まず、杉や松などのほとんどの針葉樹では、種にあたる「胚珠」とよばれる部分が単純に”むきだし”になっているのいます。このような植物は「裸子植物」といい、多くの針葉樹の特徴のひとつとなっています。
葉っぱがついたまま、落ちずに冬を超す種類が多いのも針葉樹の特徴です。
また、外側からは見ることができませんが、針葉樹の幹の内側は、水分を上へと送るための通り道が一本になっていません。進化的には、不完全な状態といえます。
いっぽう、樫、楢、栗といった広葉樹は、より複雑なつくりをしています。
広葉樹林の森
ほとんどの広葉樹では、胚珠が“むきだし”でなく、別の層で覆われています。このような植物は「被子植物」とよばれています。
また、桜や紅葉などに見られるように、多くの広葉樹では、寒い季節になると葉を落とすしくみをもっています。
水分を上のほうへと送るしくみについても、広葉樹は一本の管でつながっています。進化の後が見られます。
日本の森の面積全体では、針葉樹のほうが広葉樹よりすこし広めです。そして、木を挿したり植えたりと、人が手を加えてつくった森は、ほぼ針葉樹で占められています。針葉樹は成長が速いため、木材などとして早く手に入れるのに向いているわけです。いっぽう、人工林でない森では、8割が広葉樹で占められています。
参考ホームページ「森林・林業学習館 針葉樹林と広葉樹林」
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