2011.02.28 Monday
銭湯の代名詞は江戸川区発
東京・篠崎の江戸川区文化プラザで、「江戸川区のモノづくりのモノ語り」という企画展が開かれています。(2011年)3月13日(日)まで。
江戸川区の企業や在住者の“モノづくり大国ニッポン”への貢献ぶりを、実際のモノやパネルなどを展示して紹介しています。
展示室の奥には、銭湯でよく見かける光景が。「ケロリン」の湯桶がうずたかく積まれています。
解説によると、ケロリン湯桶は江戸川区中葛西にある「睦和商事」という会社の、山浦和明さんの発想によりつくられるようになった桶。北海道で見かけたアルミ製の風呂桶から発想が生まれたとのこと。
ケロリン湯桶は、最初からケロリン湯桶だったわけではありません。1960年代前半、山浦さんは「この新しいプラスチック桶に広告を入れたら」と思いたち、解熱剤「ケロリン」をつくっていた富山県の内外薬品に「広告を出しませんか」と営業しました。
この営業に内外製薬が乗り、試験的に東京の温泉にケロリン湯桶が置かれることに。試した結果は良好でした。そこで、東京五輪が開かれる前年の1963年、全国の銭湯にケロリン湯桶が置かれるようになったのです。
湯桶に薬の広告というミスマッチだけが、注目を集めたひけつではないようです。
何度と銭湯に行っても、いつも色鮮やかなケロリン湯桶を客が目にする。そのための印刷技術にも工夫がされています。
睦和商事のホームページによると、ケロリン湯桶の印刷では、インクを“乗せる”のでなく“埋め込む”形にしてあります。これにより、熱などに強く、広告が鮮明な湯桶ができたのです。
展示の説明では、かつてのケロリン湯桶は白だったものの、汚れを目立たなくさせるようにするために桶を黄色にしたといった逸話も書かれています。
ケロリン湯桶のほかにも、砂、金属、樹脂などを吹き付けて表面を加工する「サンドブラスト」の技術や、1958年に江戸川区松江で誕生した日本初のプラモデルやプラモデルの金型技術なども展示されています。
「江戸川区のモノづくりのモノ語り」は、3月13日(日)まで。ポスターはこちら。
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