2010.10.31 Sunday
東京がじょじょにユビキタス化
東京都は、2006年度より「東京ユビキタス計画」というプロジェクトを進めています。
「ユビキタス」(ubiquitous)は、もともとラテン語で「神はあまねく存在する」といった意味をもつ宗教用語です。いまでは、「携帯端末機器、公共建築物、家電製品、歩道などのあらゆる街なかのものにコンピューターを埋め込み、ネットワークでつなぐ」という情報通信分野の用語として使われています。かんたんに「どこでもコンピューティング」といった表現も使われます。
同計画では、街なかの場所やものに、「ucode」とよばれる固有の識別番号を付けます。そして、コンピュータが「このIDは、この場所に付けられているものだ」ということを自動認識することにより、その場所やものの情報を、携帯端末機器などで呼び出します。こうしたしくみにより、住みやすい街づくりを目指すというもの。
すでに行われたのは、上野動物園での携帯端末機器を使った動物情報サービスの実験。「ユビキタス・コミュニケータ」という専用の情報機器端末をもって園内を歩くと、たとえば、アジアゾウの前で端末が反応し、アジアゾウの解説を見ることができます。2005年に実証実験が行われ、本格的な運用が行われています。
2010年度、都は一般企業などに実験計画を公募。凸版印刷による「ニア・フィールド・コミュニケーション携帯と同タグを使った銀座電子ポスター実験」や、沖電気工業による「『eおとエンジン』を利用した自律移動支援実験」など7つの実験計画が選ばれました。
このうち、ティエイディは、「東海道五十七次ユビキタス計画」を行う予定。東海道の書く宿場で、情報配信を行うもの。これまで2007年から、品川宿でucodeを利用した情報配信を行ってきました。
同計画の提唱者であり、情報通信用語としての「ユビキタス」の名付け親である東京大学情報学環の坂村健さんは、計画の挨拶で「世界でも初めてのユビキタス都市が、イノベーティブな技術が、世界に向けて東京から発信されることを期待しています」と話しています。
「東京ユビキタス計画」のホームページはこちら。
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