2010.01.31 Sunday
タヌキ、ハクビシン、アライグマも東京で生活中
イメージ写真
動物ジャーナリストの宮本拓海さんが、集計してきた東京23区内のタヌキ、ハクビシン、アライグマの目撃情報の分析をこのたび行いました。2009年1月の発表に続くもので、今回は2007年から2009年にかけてをまとめたもの。
メールによる都民などからの報告、宮本さん自身の発見などを通じて、3年間で集められた情報は、タヌキに関するものが408件でした。
2007年から2009年まで順に102件、149件、157件と着実に増えています。宮本さんが2008年に著書『タヌキたちのびっくり東京生活』を出版するなどして、「東京でタヌキが暮らしている」という認識がじょじょに広まっているのでしょう。
メールによる報告を大きな情報源としている点は、情報の信憑性というかねあいも出てきます。しかし、大きな予算をかけない草の根の活動としては最善の方法なのでしょう。宮本さんの年数をかけた報告により、タヌキが安定して都会で生活しているという像が浮かび上がってきています。
目撃情報のなかには、タヌキがほかの動物と遭遇したときの報告もあります。
イヌとの遭遇は2009年で12件の報告があり、「交差点の出合い頭など、唐突に近距離で遭遇する場合 はタヌキは慌てて逃げるが、ある程度の距離がある場合 はすぐには逃げず、イヌと人間の様子をうかがう例も多い」。ほかに、ネコとの遭遇も2009年に1件、宮本さん本人が発見しています。
さらに今回は、ハクビシンとアライグマに関する報告もあります。
ハクビシンは、体長50センチほどのジャコウネコ科の哺乳類。鼻に白い筋が通っているため「白鼻心」という名前がついています。東南アジアに広く分布し、日本には輸入されたものが野生化したと考えられています。
ハクビシンの目撃情報は、2007年から2009年の3年間で180件だったといいます。23区の単位面積あたりの目撃件数でいうと、第1位が文京区。ついで豊島区、渋谷区となります。また、目撃場所別でも集計されており、道路94件、民家53件、公園8件などとあります。道ばたにネコがうろつくように、ハクビシンもうろついているのでしょう。
アライグマに関するものは3年間で15件。世田谷区、文京区、中野区、練馬区などで複数の報告があった模様です。
宮本さんは、今回の集計について、「やはり東京都23区内にタヌキは1000頭程度が生息しているだろうという推測は変更しなくてもいいだろう。またこのことは、ハクビシンもタヌキに匹敵するほどの数がいることを示してもいる」と述べています。
なじみあるイヌやネコなどのほかにも、都会に動物はいる。そう思って都会を歩くと、見えてくるものがあるのでしょう。
ひきつづき宮本さんは、以下のホームページなどを通じて情報提供の呼びかけをしています。
宮本さん主宰のホームページ「東京タヌキ探検隊!」はこちら。
「東京都23区内のタヌキ、ハクビシン、アライグマの目撃情報の集計と分析(2010年1月版)」はこちら。
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