2009.03.31 Tuesday
11日後「T」から「〒」へ
街でよく見かける郵便ポスト。全国で10万個ほどあると言われます。
赤色をしているのは、1901(明治34)年、それまで黒色だったものが、「夜見づらい」とか「公衆便所とまちがえる」などの指摘を受けて、郵便ポストとして目立つ色に変わりました。
ポストの正面には郵便記号「〒」があります。この記号も、紆余曲折を経ていまのマークになったという話があります。
郵便記号は1887(明治20)年、当時の国の省庁だった逓信省によって導入されました。当時の郵便記号はアルファベットの「T」でした。
諸説ありますが、一説では、「逓」の読み方「テイ」と、甲乙丙丁の「丁」の「テイ」が似ていることから、さらに「丁」と字形が似ている英字「T」が郵便記号になったとされます。
逓信省は2月8日「今より (T) 字形を以って本省全般の徽章 とす」と告示をしました。
ところが、この郵便記号「T」に対して「郵便記号としてあまりふさわしくないのではないか」という指摘が寄せられました。
世界の郵便制度では、「T」は「郵便料金不足」を示す文字として通っていたのです。この「T」は「Tax」の頭文字とされます。指し出した郵便の料金が足りないと、郵送物に「T」の印が押されるのでした。
そこで逓信省は、郵便記号「T」を発表してから11日後の2月19日、「『T』は、じつは『〒』の誤りだった」と訂正して発表しました。混迷するいまの政治状況に比べたら、迅速な対応といえるのかもしれません。
それから120年後、2007年3月、郵政民営化後の日本郵政グループのブランドマークにも引き続き「〒」を採用することが発表されました。最近では企業のブランドマークが、次々と新たらしいものに変わる場合もありますが、郵便記号は変えてしまうと世の中に影響が出るほどに定着をしているということかもしれません。
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