2008.09.30 Tuesday
置き換えることばを探せ!
文章指南などでよく指摘される心得のひとつに「一つの文や一つの記事のなかに、何度もおなじことばを使うな」といったものがあります。
「手紙を受けとった。手紙にはこう書かれてあった」よりは「手紙を受けとった。茶色の便箋にこう書かれてあった」などにすべき、といった指摘です。理由はいろいろ考えられますが、おなじことばのくりかえしで文が短調になってしまうのを防ぐため、といったねらいがあるのでしょう。
似た意味でありながら別のことばを探すとき便利なのが類語辞典(シソーラス)です。辞書をインターネット上で引けるように、類語もネットで検索することができます。
株式会社の言語工学研究所は、これまで「シソーラス(類語)検索」の提供をしてきました。キーワード欄にことばを入れると「同義語」「広義語」「狭義語」「関連語」「反義語」の一覧を見ることができます。
たとえば「科学」と入れると、同義語は「サイエンス」、広義語では「学問」「学」「学究」「学業」「学事」「学識ない」「学術」「研究」「学問|分野」「学問|理系」。また、狭義語には「ライフサイエンス」「行動科学」「自然科学」「社会科学」「人間工学」など12語、関連語は「学芸」「学徳」「教科」「雑学」「耳学問」など29語が並びます。
類語辞典と似た機能をもっているのが国語辞典でしょう。あることばを別のことばで説明しなければならないので、必然的に類語や関連語を見つけることができます。「技術」を引くと、「技巧」「技芸」や(technique)といったことばを目にすることができます。
しかし、便利なのはやはり類語辞典のほう。とくに優れたインターネット類語辞典は、ウェブ上に溢れることばどうしを即時的に関連づけて、類語や関連語を示すこともできるでしょう。つまり“生きている”ことばが示されるのです。
言語工学研究所のホームページにある「電子化されたシソーラス」という説明でも「もはや木構造ではなく、網構造になって複数の広義語が持てるようになります」とインターネット類語辞典の特性を説明します。
さて、そんな便利な「シソーラス(類語)検索」は、じつはきょう(2008年9月30日)をもって閉鎖されることになりました。
長らくの愛用者には残念きわまりなしと思いきや、この閉鎖は「類語.JP」という、新しいサービスが提供されたことに伴うもの。見たところ同じ機能がそのまま引き継がれているようです。
「シソーラス(類語)検索」では、何度も類語検索をしていると「ご利用ありがとうございます。長いご使用は他のユーザー様のご迷惑となる場合がありますので回数を制限させていただきます」と丁重に連続使用を遠慮されました。「類語.JP」は料金を払えば何度でも使え、またお試しで1日5回まで使うことができる模様(いずれも会員登録は必要)。
「ありがとう、シソーラス(類語)検索」の声が聞こえてきます。
2008年9月30日に閉鎖される「シソーラス(類語)検索」はこちら。
http://www.gengokk.co.jp/thesaurus/
引きつがれえる「類語.JP」はこちら。
http://ruigo.jp/
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