2008.01.31 Thursday
法廷の科学は真実を語るか(2)
法廷の科学は真実を語るか(1)
1995年10月3日午前10時。米国ロサンゼルス地方裁判所、裁判長の「被告は無罪」という評決が響き渡りました。大方の予想どおりだったといいます。
その瞬間、身長185センチにもなる大男の被告人は、ひといき胸をなでおろしました。“夢のチーム”ともいわれていた敏腕弁護士は、大男の肩を何度もたたき喜びの表情を浮かべます。白い歯を見せてそれに答える大男。
おなじ部屋では遺族がすすり泣く声が聞こえてきました。そして敗れた検察官たちの苦虫をかみつぶすような表情も。評決のようすは全米中にテレビで流され、多くの国民がブラウン管ごしの判決を、固唾を飲んで見ていたといいます。
被告の大男。その名はオレンソール・ジェームズ・シンプソン。O・J・シンプソンの愛称で親しまれていた、プロフットボール選手でした。
判決直後、「ノット・ギルティー」の大見出しの号外を出す地元紙。「被告はおそらく殺っていると思う」と、記者たちに答える陪審員。悔しさのあまり記者会見のとちゅうで退席をする検察官。「ことが落ちついたら、まず真犯人を探したい」という元被告の声明を読み上げる弁護士…。
さまざまな反響がうごめくなか、O・J・シンプソンはロサンゼルス近郊ブレントウッドの自宅へと帰るのでした。その自宅からわずか三キロの場所、バンディドラブ857番地の住宅で、1994年6月13日、二人の遺体が見つかったのでした。無罪判決の1年前のことです。つづく。
1995年10月3日午前10時。米国ロサンゼルス地方裁判所、裁判長の「被告は無罪」という評決が響き渡りました。大方の予想どおりだったといいます。
その瞬間、身長185センチにもなる大男の被告人は、ひといき胸をなでおろしました。“夢のチーム”ともいわれていた敏腕弁護士は、大男の肩を何度もたたき喜びの表情を浮かべます。白い歯を見せてそれに答える大男。
おなじ部屋では遺族がすすり泣く声が聞こえてきました。そして敗れた検察官たちの苦虫をかみつぶすような表情も。評決のようすは全米中にテレビで流され、多くの国民がブラウン管ごしの判決を、固唾を飲んで見ていたといいます。
被告の大男。その名はオレンソール・ジェームズ・シンプソン。O・J・シンプソンの愛称で親しまれていた、プロフットボール選手でした。
判決直後、「ノット・ギルティー」の大見出しの号外を出す地元紙。「被告はおそらく殺っていると思う」と、記者たちに答える陪審員。悔しさのあまり記者会見のとちゅうで退席をする検察官。「ことが落ちついたら、まず真犯人を探したい」という元被告の声明を読み上げる弁護士…。
さまざまな反響がうごめくなか、O・J・シンプソンはロサンゼルス近郊ブレントウッドの自宅へと帰るのでした。その自宅からわずか三キロの場所、バンディドラブ857番地の住宅で、1994年6月13日、二人の遺体が見つかったのでした。無罪判決の1年前のことです。つづく。
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