2007.01.31 Wednesday
書評『見える化』
“組織の質を上げる”と評判のベストセラー。いまさらながら読んでみました。
『見える化 強い企業をつくる「見える」仕組み』遠藤功著 東洋経済新報社 2005年 208p
組織とは、つねになにかしらの「問題」を抱えながら進んでいくもの。けれども、組織の中の誰もが、その「問題」が「問題である」と共通に認識することはなかなか難しい。ボスと部下では立場がちがう。パートさんやバイトさんが捉えるのと、経営者が捉えるの、同じ組織でもまったく別ものとなる。そんな、“問題の共有”が難しい状況のなかに、「見える化」の出番がある。
たとえばこんな状況を考えてほしい。
なんとなく焦げ臭い…。どこかでパキパキと音がしている…。自分の部屋のすぐ近くで火事が起こっていても、目に見えていないうちは、「なんか変だぞ」と思っていても、なかなか行動をとらないもの。ところが炎を目にしたとたん、「こりゃ大変だ!」と問題を認識し、すぐさま避難や消火という行動をとりはじめる。
善い喩えではないかもしれないが、これが「見える化」の本質。著者が「見える化」を強く意識するようになったきっかけも、小火騒ぎだったという。
「問題の見える化」の他にも、「状況の見える化」「顧客の見える化」「知恵の見える化」「経営の見える化」といった、さまざまな「見える化」を提示する。その上で、トヨタや和民など実際の企業が実践している「見える化」の具体例を豊富に紹介していく。
ただし、筆者は「『見える』ようにするのは人間の意思」とも述べる。「見える化」を根本まで突き詰めていくと、積極的に問題を開示するマインドが必要となるのだ。「『見える化』とは『見せる化』であり、『見せよう』という意思と知恵がなければ、『見える化』は実現できないのである」
「見える化」の効果や方法を知ることにより組織論的技術が身につくうえに、著者の情熱的な言葉によりやる気がわいてくるという、二層構造で成り立っている本だ。
『見える化』はこちら。
http://www.amazon.co.jp/見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み-遠藤-功/dp/4492532013/sr=1-1/qid=1170249967/ref=sr_1_1/503-7257412-2611120?ie=UTF8&s=books
『見える化 強い企業をつくる「見える」仕組み』遠藤功著 東洋経済新報社 2005年 208p
組織とは、つねになにかしらの「問題」を抱えながら進んでいくもの。けれども、組織の中の誰もが、その「問題」が「問題である」と共通に認識することはなかなか難しい。ボスと部下では立場がちがう。パートさんやバイトさんが捉えるのと、経営者が捉えるの、同じ組織でもまったく別ものとなる。そんな、“問題の共有”が難しい状況のなかに、「見える化」の出番がある。
たとえばこんな状況を考えてほしい。
なんとなく焦げ臭い…。どこかでパキパキと音がしている…。自分の部屋のすぐ近くで火事が起こっていても、目に見えていないうちは、「なんか変だぞ」と思っていても、なかなか行動をとらないもの。ところが炎を目にしたとたん、「こりゃ大変だ!」と問題を認識し、すぐさま避難や消火という行動をとりはじめる。
善い喩えではないかもしれないが、これが「見える化」の本質。著者が「見える化」を強く意識するようになったきっかけも、小火騒ぎだったという。
「問題の見える化」の他にも、「状況の見える化」「顧客の見える化」「知恵の見える化」「経営の見える化」といった、さまざまな「見える化」を提示する。その上で、トヨタや和民など実際の企業が実践している「見える化」の具体例を豊富に紹介していく。
ただし、筆者は「『見える』ようにするのは人間の意思」とも述べる。「見える化」を根本まで突き詰めていくと、積極的に問題を開示するマインドが必要となるのだ。「『見える化』とは『見せる化』であり、『見せよう』という意思と知恵がなければ、『見える化』は実現できないのである」
「見える化」の効果や方法を知ることにより組織論的技術が身につくうえに、著者の情熱的な言葉によりやる気がわいてくるという、二層構造で成り立っている本だ。
『見える化』はこちら。
http://www.amazon.co.jp/見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み-遠藤-功/dp/4492532013/sr=1-1/qid=1170249967/ref=sr_1_1/503-7257412-2611120?ie=UTF8&s=books
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