2006.01.31 Tuesday
“あいまいさ”が便利なWebcat-Plus
図書館司書の勉強をしていると、情報検索に強くなると前に書きました。
その情報検索ツールの一つが、国立情報学研究所のWebcat-Plusです。スクーリングのとき先生に教えてもらいました。
国立情報学研究所は、全国の大学や研究所の図書館の情報を網羅して、各図書館の資料の所在情報などを提供するサービス機関(書誌ユーティリティといいます)です。つまり、日本全国の大学図書館や研究所の所蔵資料情報を統括しているわけです。
Webcat-Plusはこの研究所が提供するネット上の、本の情報検索サービスです。上の画像のような入力欄に、あなたが求めている情報を「……の……について知りたい」などの文章を入力すると、マシンがその文のキーワードから連想して、あなたの希望に見合いそうな資料(本に限りますが)のリストを出してくれます。これは「連想検索」とよばれています。
検索結果は、どちらかというと「数打てば当たる」といった感じですが、リストの上位10件ぐらいの中には「こんな本を探してたんだ!」といえる資料情報がかならずといっていいほど出てきます。
ためしに「アップルコンピュータ社のマッキントッシュの開発史を知りたい。」と入れてみました。すると、21万6千件がヒットし、上位10位には『マック the ディケード―10年目に贈るMacintosh』とか『マッキントッシュ誕生の真実』といった、おあつらえ向きの本が出てきました。
ハズれる場合も多いWebcat-Plusですが、その検索結果のあいまいさが奏効するときもあります。「連想検索」でハズれたもののなかにも、探していたものと「遠からず」の、まったく別ジャンルとはいえない情報もあります。「え、こんな本も出てるんだ!」というような発見ができるのも、Webcat-Plusならでは。
従来、情報検索においてコンピュータの使用はセレンディピティ(あることを探しておきながら別のことを探し当てること)を期待できないものとされていましたが、このWebcat-Plusに関してはその限りではありません。さらにいえば、使い方次第ではセレンディピティを積極的に生み出すマシンだともいえそうです。
Webcat-Plusはこちら。
http://webcatplus.nii.ac.jp/
国立情報学研究所はこちら。
http://www.nii.ac.jp/index-j.html