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「もう時間がないので説明はしませんが、」問題


このブログで「発表」や「プレゼンテーション」にまつわる、ちょっと気づいた点をいろいろと取り上げてきました。「苦手な講演」とか、「ホワイトボードマーカの構造的問題」とか、「なぜ発表は長引くのか」とか。

きょうは「もう時間がないので説明はしませんが、」問題について取りあげます。こう聞いて「ああ、あの問題か」と気づいた方もいることでしょう。

講演会などでは、講演時間が15分とか30分とか割り当てられていて、それを大きく超えるのはマナー違反となります。予定終了時刻の5分前に予鈴を鳴らす場合もありますね。

どの講演会でも、かならず一人くらい時計とパワーポイントの投影とをちらちら見ながら「もう時間がないので説明はしませんが、」という講演者を見かけます。

最後が「が、」になっているところが要点です。

「もう時間がないので説明はしませんが、この図で示されていることは過去にもこうしたことが行われていたということであり、縦軸は何々に、横軸は何々になっておりまして、順番に申しあげますとまず上段の右端はですね…」

結局、説明してるじゃん…。orz 。

文章指南書などでは「が、」のあとは逆接の内容も順接の内容も来るので、あいまいさを避けるために「が、」を「しかし、」や「その結果、」などに代えろ、といいますね。

講演の「もう時間がないので説明はしませんが、」も似たことがいえそうです。「もう時間がないので説明はしませんが、説明しちゃいます」という逆接が続くのです。

なぜ、講演者は「もう時間がないので説明はしませんが、」といいながら説明してしまうのでしょうか。

推しはかると、つぎのような心理状態が考えられます。

それは「与えられた時間は使い果たしてしまった」という心理と「でも話したい」という心理が混じりあっているということです。前者の心理が働いて「もう時間がないので説明はしませんが、」と言うものの、すぐに後者の心理が働いてけっきょく説明してしまうのです。

パワーポイントできっちりと図を用意してきて「もう時間がないので説明しませんが、」と発言する時刻まできっちりと説明してきたものだから、最後まで説明して終わりたいという思いもあるのでしょう。

「もう時間がないので説明しませんが、」といいながら説明が続く講演をに立ちあった聴衆は、「有言不実行」が瞬時に実行されているという、またとない場面に遭遇できるわけです。

しかし、それを貴重な体験と感じる人よりも、不快な体験と感じる人のほうが上回ることでしょう。

何度もいいますが、講演終了時刻30秒前に「徹子の部屋」のエンディングテーマを流すことが何よりの得策ではないでしょうか。
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