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アルキメデスの公理


古代ギリシャの数学者アルキメデスといえば「アルキメデスの原理」が有名。

「固体の全部または一部を流体中に浸すと、それが排除した流体の重さに等しいだけの浮力をうける、という原理」(『広辞苑 第5版』より)

シラクサの政治指導者ヒエロンが金細工師に作らせた“純金”の王冠が、純金ではないのではという疑惑が浮かんでいました。ヒエロンはアルキメデスに「王冠が純金かどうか壊さずに調べるように」と命じました。

風呂に入っていると、不意にアルキメデスは解決策の示唆を得て、「わかったぞ」と叫びながら裸で街を走りまわったといいます。

落ちつきをとりもどしたアルキメデス。疑惑の王冠とおなじ重さの金塊を、水をひたひたにはった二つの容器にそれぞれ入れたのでした。すると王冠のほうが金塊よりも水が多くあふれるでは。これで、王冠は金より軽いものが多く混じっているということが明らかになったのです。王冠の金を削り別の材料を混ぜた金細工師は、すぐに処刑されたとか…。

「原理」とはものごとの根本的な法則のこと。いまも通じる原理を思いついたアルキメデスはすごい人といえます。

でも、アルキメデスの実績はそれだけではありません。逸話がなく地味ながら、彼の名のつく業績が数学にもあります。

それは「アルキメデスの公理」。

数学とは、証明で導きだされた「定理」を積みかさねて、新発見をする学問。でも、証明の根源をつきつめると「あたりまえすぎて証明するまでもない」という段階に達します。このときの「あたりまえ」が「公理」とよばれるもの。たとえば「a=bなら、a+c=b+cである」は公理のひとつ。「2=2なら、2+1=2+1」はあたりまえですね。

アルキメデスの公理は、「a、bを正の数とすれば、aがどんなに小さく、bがどんなに大きくても、b<naとなる自然数nが存在する」というもの。

例えば、aが1で、bが100,000,000,000,000(100兆)だとしても、nが100,000,000,000,001なら、

b=100,000,000,000,000
na=100,000,000,000,001×1=100,000,000,000,001

となり、

b<na 100,000,000,000,000<100,000,000,000,001

が、なりたちます。アルキメデスの公理は諺「塵も積もれば山となる」でよく喩えられます。「aという塵をいくつも掛ければ、いつかはbという巨大な山をしのぐ」ということです。

アルキメデスの公理を最初に記録した人物は、古代ギリシャ時代の数学者クニドスのユードクソス(紀元前400-紀元前347年)。また、「アルキメデスの公理」ということば自体は1883年、オーストリアの数学者オットー・シュトルツ(1842-1906)により使われたとのこと。

グーグルの検索で調べると、「アルキメデスの原理」は17,600件の該当数に対して「アルキメデスの公理」は1,210件。

逸話のつきの科学話は、逸話なしよりも後世まで語りつがれるということかもしれません。
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