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秘密の手紙に南京錠(1)


アリスさんは、ボブさんに手紙で伝えたいことがありました。

その手紙の内容は、アリスさんにとっては国家最高機密よりももっと大切なもの。ボブさん以外のだれにも漏れることなく、ボブさんに手紙を送ることがアリスさんの願いです。

ボブさんにじかに会って手紙を手わたしすればよいのでしょう。でも、ボブさんのすみかはとても遠く、実際に会うことは不可能なのです。郵便などの手だてを考えなければなりません。

困ったことに、アリスさんたちの住んでいる国は、“通信の秘密”にかぎってはまったく守られていない国。秘密の価値が高いこの国では、悪い配達員が手紙を封をびりびりとやぶって盗み見してしまいます。

もちろん手紙の封をやぶれば、配達員の犯罪行為はじき明らかになるでしょう。でも、その配達員が捕まったからといってアリスさんは満足しません。「ボブさん以外のだれにも漏れることなく、ボブさんに手紙を送る」ことにはならないからです。牢屋で配達員がまわりの囚人たちにアリスさんの手紙の内容をばらしでもしたら…。

そこで、アリスさんはつぎの案を思いつきました。

「手紙を小箱に入れて、南京錠をかけて、ボブさんに送ろう」

名案だと思い、アリスさんは実行します。ところ大きな問題に気づきました。その南京錠をボブさんが外さなければならないのです。

小箱とともに鍵を郵送すればボブさんはその鍵で小箱を開けられます。でもそれは、悪い配達員にとって、手紙むき出し状態もどうぜん。鍵を開ければ手紙はお目とおしです。

鍵をべつの便でボブさんに送っておけばよいでしょうか。でもこの場合も、悪い配達員に鍵の型を記録されて合鍵をつくられてしまうおそれがあります。

“小箱に南京錠”という案は、鍵のやりとりの問題があるため、ご破算になりそうでした。

ところが。「どうすればいいんだ。うーん、うーん、orz」とアリスさんが考えに考えていると、南京錠と鍵を使った新しい案をひらめいたのです。つづく。
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