科学技術のアネクドート

<< もくもくと水蒸気 | main | 王立協会クリスマスレクチャー >>
ナイルレストランのムルギーランチ――カレーまみれのアネクドート(4)


銀座の目抜き通りから東に4ブロック。背の高い建てもののあいだに、赤い日除け幕に黒字の店名が映えるカレー屋があります。

「ナイルレストラン」。

「ナイル」は、レストランの創業者アヤパン・ピライ・ムハマダバン・ナイルのナイルです。

インド独立運動に参加したナイル。英国の監視から逃れるため日本にやってきました。「中村屋のボース」ことラス・ビハリ・ボースとも交流が。インド独立後も、インドと日本の平和のために東奔西走。そんななか、1949年に開いたカレー料理店が「ナイルレストラン」でした。

創業者ナイルの息子がいまの店主G・M・ナイルさん。毎昼、毎昼、開店前に列をつくって並ぶ客を、鋭い眼光で迎え入れます。

店には、店主ナイルさんのほか、割腹のよいインド人店員も。昼どきは、店に入るやいなや「ムルギーランチですか」と注文を聞いてきます。お腹と声のいきおいにおされ「はい」と返事すると、10分後ムルギーランチが出てきました。



銀のお皿に盛られた、ターメリックライスと鶏肉と野菜とルー。骨つきの鶏肉はよく茹でられているのでしょう。ナイルのナイフの手さばきで、あっという間に骨と肉が分かれます。

「よく混ぜて食べてねー」。店員のことばどおり、スプーンとフォークでライスもルーも具もごちゃまぜに。

ほどよく混ざったカレー食べると、辛くもなく甘くもなく、しっかりとした味が口のなかに広がります。「ああ、美味しい」とぱくぱく食べているうちにあっという間にお皿は空に。

小さいけれど確かに幸せなランチは幕を閉じました。

お店を出たあと、歩道の生け垣からお店の写真を撮ろうとしていると、ナイルさんがやって来て、「写真を撮るのなら、ドアを閉めましょうか」と一言。客にやさしいナイルさん。目は鋭いけれど。

ナイルレストランのホームページはこちらです。
http://www.ginza-nair.co.jp/index.html
| - | 07:13 | comments(0) | -
コメント
コメントする









CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< September 2020 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE