科学技術のアネクドート

<< 『つながるいのち』出版記念の集い | main | 1969年の月で(1) >>
環境問題の懸賞論文


玉川大学通信教育部に応募していた環境に関する懸賞論文が入選しました。やったぜ!

玉川大学通信教育部は、私が司書資格取得のために受けている通信制の学部です。去年の夏ごろ論文を募集していることを知り、学費払っているのだから、賞金でちょっと取り戻そうかという貧乏根性で応募しました。

送った後、ずっと音沙汰なかったので、だめだったかとあきらめていたところ、書留が届いて結果を知りました。

論題は「環境問題情報のメディア・シェアリング」。本の編集をしているので、論文のテーマの「環境」を、職業と結びつけられないかなと思いました。で、環境問題をテレビや新聞や本などのそれぞれのメディアはどう伝えていくべきかといったことを書いたわけです。

それぞれのメディアには“受動性”と“能動性”があると考えています。例えば、テレビはつけっぱなしでもどんどん情報が入ってくるから受動的。本は本屋まで買いに行って、なおかつ自分の目で読んで理解しなければならないから能動的、といった具合に。

人びとに環境問題をより知ってもらうために、そうした各メディアの特性をどう使うのが効率的なのか、といったことを書きました。本の編集をしている職業上、書籍メディアについては、ちょっとひいき目に書いてしまったかもしれません。

以下のリンク先に論文を掲載させていただきます。ご声援ありがとうございました。
環境問題情報のメディア・シェアリング
漆原 次郎

 環境問題の情報に関する「メディア・シェアリング」効果の可能性を考える。メディア・シェアリングとは、各メディアがそれぞれの特性を活用して、情報やメッセージを効果的に市民に伝えていく方法と定義する(筆者の造語である)。本論では、以下の3点を順に述べていく。
 まず、科学技術の話題としてナノテク、バイオ、医療などさまざまある中で、環境問題の話題がどのような特徴をもっているかということ。筆者はここで、問題解決型であること、視覚化しづらいこと、「消極的な関心」を持つ人が多いことの3つを挙げる。
 次に、電波、紙、電子の各メディアは、市民に環境問題への関心をより一層もってもらうために、各特性をどう活かすべきかということ。最初に挙げた環境問題の話題の特徴と絡めて考える。ここでは、各メディアを能動的性格・受動的性格などの観点から見ていく。
 最後に、環境問題に関する知識普及のためのメディア・シェアリングを提言したい。

1 科学分野における環境問題の話題の特徴
 環境問題は産業革命と同時に発生し(1)、以後、大量生産、大量消費型の社会の中で、工場公害、生活公害、開発公害などの問題を引き起こしてきた。そして現在では地球規模の環境問題が叫ばれている(2)。
 環境問題は、「あなたが関心のある科学技術の話題は?」などといった意識調査の中にかならず出てくる項目だ(3)。科学技術の話題の中での環境問題の特徴とはどのようなものだろう。以下の3つを示したい。

1-1 問題解決型であること
 まず第一に、環境問題は問題解決(Problem-Solving)型の構造を基本にしているということだ。「問題」という言葉が付くからには、その話題は解決すべきものであるという前提がある。解決すべきことを前提に成立する科学分野というのは、他にはあまり見られない。例えば、「ナノテク」に「問題」を付けた「ナノテク問題」という言葉はメディアでは使われないし、「バイオ問題」もそれほど聞かない。「医療問題」はよく聞くものの、例えばがん治療のように医学の進歩を扱った「医療(の進歩)」などの話題は、「医療問題」からは切り離すことができる。
 これに対して環境に関する話題は、つねに問題の解決が求められている。もちろん中には「問題」の付かない「環境」という科学の話題もある。例えば「環境利用学」は、水や大気などの自然環境資源をどう利用していくべきかといったものである。ただし環境を利用するときも、その環境の持続可能性が前提となる。このことからわかるように、「環境」と「環境問題」は密接に関連している場合が多い(4)。

1-2 視覚化しづらいこと
 環境問題の第二の特徴は、視覚で捉えづらい要素を含む話題であるということだ。とくに最近の全地球的な環境問題(地球環境問題)では、このことが顕著である(5)。
 地球環境問題は、直接的に問題を視覚で認知できることが少なく、また原因になる加害者が特定しづらい(6)。その典型的な例に、地球温暖化やオゾン層の破壊などがある。二酸化炭素などの温室効果ガスが地球の温度を上げている「現場」や、フロンガスが南極のオゾン層を破壊している「決定的瞬間」を、市民が直接またはメディアを通じて目にするということは考えづらい。たしかに、「最近の夏はやけに暑い」などと肌で感じることはあっても、例えば有毒物がもたらす体の異常や鉄道建設がもたらす騒音・振動などとは違って、過去と明らかに状況が変わったと感じられるような劇的な変化がない。地球温暖化もオゾン層の破壊も、目に見えぬところでじわりと進行する。
 こうした視覚で捉えづらい科学技術の話題としては、他にも原子レベルの微細加工技術であるナノテクノロジーや、ブラックホールの解明などを扱う宇宙物理学などがある(7)。だが、これらの分野では、技術を可能にしたり、事象を存在させたりする「原因」を比較的特定しやすい。例えば、ナノテクノロジーにおける量子暗号通信は「量子力学の重ね合わせ」という量子力学的現象が原理になっているし(8)、ブラックホールは年老いた恒星が自らの重みで崩壊し、物質が圧縮されることで起きるという原因がわかっている。これに対して地球規模の環境問題では、化学反応の過程などは解明されているものの、どの国から出された温室効果ガスがどの地域に影響を与えるとか、だれが使ったフロンガスがオゾン層を破壊しているかといったことは、その要因のひとつひとつがあまりにも細かく、かつ多すぎるために特定することは難しい。

1-3 「消極的な関心」をもつ人が多いこと
 環境問題の話題の第三の特徴は、「消極的な関心」をもつ人が多いということである。
 まず、環境問題も含めた科学全体の市民の関心について見てみよう。内閣府の「科学技術と社会に関する世論調査」では、科学技術についてのニュースや話題に「関心がある」とした回答者が1998年の58.1%から2004年の52.7%に下落している。データはいわゆる「科学離れ」の現状を示している(9)。
 いっぽう環境問題単体を見てみると、市民の関心は高い。東京都の2003年調査では、環境問題に「関心がある」とした都民は93.9%で、「関心がない」とする5.9%を大きく上回った。だが「関心がある」を細分化すると「非常に関心がある」が30.9%にとどまったのに対して、「ある程度関心がある」はその2倍以上の63.0%にものぼった(10)。こうした「ある程度」が「非常に」を大きく上回るデータは、全国的な調査も含め他のアンケートでもよく見られる(11)。
 このような「消極的な関心」は、環境問題の第一の特徴「問題解決型であること」や第二の特徴「視覚化しづらいこと」と関係しているように思える。つまり、解決すべき話題としての認識はあるけれど、その問題が顕著に目で感じられるものではないし、自分だけが問題の原因というわけではない、といった状況から来るものではないか。この因果関係については今後の調査事項として、さらに検討を重ねたい。

2 環境問題を伝えるうえでの各メディアの役割  
 ここからは、電波、紙、電子などの各メディアが市民により効果的に環境の情報を提供し、知識を高めてもらうにはどうしたらよいかを考えていきたい。「1」であげた環境問題の話題の特徴と関連づけて述べる。
 まず、市民はどのようなメディアを環境問題情報の入手道具にしているか、見てみよう。1998年11月に総理府(当時)が実施した「地球環境とライフスタイルに関する世論調査」では、「地球環境問題に関する知識や地球環境を保全するための方法についての情報」として、以下のものが挙がった(3つまで回答可)。
 1 テレビ(89.6%) 2 新聞(75.2%) 3 雑誌や書籍(24.3%) 4 ラジオ(14.6%) 5 パンフレット(2.9%) 6 シンポジウムや講演会(2.6%) 7 学校教育(1.9%) 8 インターネット(0.9%) 9 市民大学などの社会教育(0.6%)(12)
 ここではこのうち、率の高かった電波メディアの「テレビ」「ラジオ」、紙メディアの「新聞」「書籍」「雑誌」、そして最近メディアの主役になっている電子メディアの「インターネット」、これら6つのメディアの特性を考えていきたい。また、各メディアごとに、環境問題の情報をどう発信していくのが効果的であるかを述べたい。

2-1 受動的。ダイナミックなテレビ
 テレビは「受動的」なメディアといえる。受動的というのは、情報の受け手がその情報を得るときの姿勢のことだ。テレビは電源をオンにするだけで情報を得られる。雑誌・書籍を書店で求めるよりはるかに受動的だ。またテレビは機械のほうから映像・音声を伝えてくれる。活字を追う、情報を発信するといった能動的な行為は要らない。こうした点で、市民はテレビからの情報を受動的に得ている場合が多い。
「見る番組を選ぶ」という行為は能動的ではないかと考える方もいるだろう。たしかに能動的だ。だが、環境問題の情報はニュースの一項目の中に含まれている場合が多く、かなりの視聴者は朝晩お決まりのニュース番組を見ていると推測できる(13)。このことから環境問題のニュースだけを見る・見ない、といった視聴者の能動的行為は想像しづらい。
 テレビのもうひとつの特性は、動画を示すことができるということである。たしかに、環境問題は視覚化しづらいので、その点ではテレビの特性を活かすことは難しい。だが、例えば視聴者の生活が地球温暖化につながるまでの流れを概念化して示したり、アクションを起こさないと環境問題はこんな具合に深刻化するという予測シミュレーションを20年後・40年後・60年後というように時の経過とともに示したりするなど、動画ならではの印象を情報の受け手に与えることができる。このとき伝え手は、科学者などに動画をチェックしてもらうなどして、正確な情報の提供を心がけることが大切である。
 以上2点の特性に加えて、テレビは、ラジオ、新聞、インターネットと同様に速報性をもっている。これらから、環境問題の情報を伝える際のテレビならではの役割として、ニュースなどで環境問題の情報を流し続け市民に潜在的な問題意識を植え付けること、そして、視覚しづらい事柄を動画にして環境問題の情報を印象的に与えることを挙げたい。

2-2 受動的。身近なラジオ
 ラジオはテレビと同様、またはそれ以上に、受動的なメディアといえる(14)。
 ラジオにおける環境問題の話題は、ニュースの一項目として発信されることが多い。これはテレビのニュースと同じだ。その他、聴取者からの便りや、番組の企画として環境問題の情報が発信されることなどがある。ゴミ袋削減の話題や地元のエコツアー情報など、環境問題でも市民にとって身近な情報を提供することがラジオならではの役割といえる。

2-3 受動的。情報のハブ的役割を果たす新聞
 新聞は家庭への宅配で成立しているメディアである(15)。宅配された新聞に、読者は日課としてひととおり目を通す。この点で、新聞はテレビと同様、受動的という特性をもつ。だが読者は見出しを見た上で、「この記事は詳しく読もう」「この記事は読む必要なし」と判断する。つまり、テレビに比べて、新聞の環境問題情報は、読者の読む・読まないの判断により、提供される・されないが決まる場合が多い。新聞は受動的なメディアでありながらも、情報伝達は読者の能動的行為に委ねられる。
 このため、新聞メディアは多種多様な環境問題の記事を載せておくことが重要である(16)。新聞は1回の情報量が多く、しかも毎日発行されるため、多くの環境問題の情報を発信することが可能である(17)。
 また、新聞のもうひとつの特性は、「情報の情報源」としての役割を果たしていることだ。テレビ欄、ラジオ欄、雑誌や書籍の広告・書評が常時掲載されており、新聞で他のメディアの情報を得られることが多い。
新聞は受動的メディアであり、購読している人は半ば自動的にその情報をとりあえず目には入れてくれる。こうした点から新聞は、環境問題の情報をハブ的に扱う役割を担っていると考えたい。

2-4 能動的。関心を消極的から積極的に変える書籍
 書籍は、読者みずからが本を選び、読むことで成り立つメディアだ。テレビなどのように、メディアが情報を流しっぱなしにするのとは大きく異なる。つまり書籍は情報の受け手にとって「能動的」なメディアだ。
 書籍は、環境問題の情報源としては24.3%(雑誌も含む)と、テレビや新聞にはるかに水を空けられている。先にも示したように、環境問題に非常に関心のある人が限られていることを考えると、環境関連書籍を書店で購買したり図書館で借りたりしてまで読むには至らないのが現状だ。この点から書籍は、環境問題に関心の高い人々のニーズに応える内容に特化することで、メディアの役割を果たすことができそうだ。
 それとともに書籍は、環境問題に消極的な関心をもつ人を積極的な関心に引き上げる可能性ももっている。それは、読書好きに環境問題の書籍を手にとらせて、そこから環境問題への積極的な関心を呼び起こさせるといった方法だ。レイチェル・カーソンの『Silent Spring』は、1962年の発行直後ベストセラーとなり、これを機にDDTなどの化学物質の濫用が全米を巻き起こす社会問題へと発展した。書籍メディアは情報の受け手に読もうとする能動的意識が働く分、読後そのテーマへの関心が高める力をもっている。
 さらに、書籍メディアのもうひとつの重要な役割として、子どもへの教育がある。絵本や児童書は、幼少の子どもたちに、環境問題について関心をもたせる(植えつける)有力な手段だ(18)。絵本であれば情報の厳密な正確性をもつ必要は減り、比喩的な表現などを効果的に使うことができる。テレビは別としても、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットなどが子どもたちに環境問題の情報を伝えるには、やや敷居が高い。そんな中、書籍には児童書というジャンルが確立されており、子どもたちを環境問題への意識の入口に立たせる大きな役割を担っている。

2-5 能動的にも受動的にも。フレキシブルな雑誌
 雑誌の特性は、新聞と書籍の中間に位置するということだ。新聞よりは記事の内容が購買を左右するので能動的メディアだが、定期購読者に買われることも多いので書籍に比べたら受動的である。刊行の頻度でも、新聞ほど頻繁ではないが、書籍とちがい定期的に発行される。情報は新聞よりは鮮度が落ちるが、書籍よりは新鮮だ。1回の情報量は、新聞よりも多くすることができるが、書籍ほどのボリュームには至らない。価格の点でも新聞1部よりは高いが、書籍1冊よりは手頃に買える(19)。
 つまり雑誌メディアは、新聞が出すような情報の形(速報性重視)と、書籍が出すような情報の形(読者のニーズ重視)を、フレキシブルに使い分けすることができる。
 また雑誌は、総合的な話題を扱う中で環境問題をひとつの記事として扱う大衆雑誌と、環境問題をメインテーマにした環境関連雑誌とに分けることができる(20)。大衆雑誌は、多くの話題が雑多に含まれており、この点では新聞と同じだ。ただし、新聞よりも雑誌のほうが企画段階での記事の選定は厳しく、興味を引きつける必要があるため、消極的な関心をもつ人の多い環境問題はそうした点で雑誌の記事にするのが難しいだろう。例えば、ラジオのところで示したように、身近な環境の話で引きつけるなどの工夫が必要だろう。
 一方、環境問題をメインテーマとした環境関連雑誌は、読者対象が書籍と同様、環境問題に対して高い関心のある人の場合が多いだろう。専門誌には、一般誌や新聞より専門的な内容に特化すべきである。

2-6 能動的。期待大のインターネット
 情報インフラの発達で国内のブロードバンド利用人口は2007年末には5,967万人に達すると予想され(21)、インターネットへの常時接続が常識となるだろう。こうした点でインターネットはテレビ、ラジオ、新聞と同じように、ますます気軽なメディアになるだろう。
 だが、環境問題は問題解決型の話題であり、かつ消極的な関心にとどまる人が多いため、環境問題関連のサイトに積極的にアクセスをする人は限られるのではないか。yahoo!トップページの「トピックス」を見て、関心のあるニュースだけをクリックするといったスタイルは、新聞の見出しを見て興味ある記事だけを読むといったものによく似ている。
 機能的にはインターネットはこれまで見てきたすべてのメディアの能力を兼ね備えている。動画も音声も配信することができる(22)。もちろん画像も文章も掲載可能で、かつ面積には制限が無い。つまりインターネットは各メディアの役割を一手に引き受ける力がある。情報伝達効果の可能性は計り知れない。だが、テレビ・ラジオ感覚で動画や音声を視聴するにはまだ若干手間がかかっているし、雑誌の特集や書籍のような長文をモニタ上で読むのにはまだ抵抗感がある。
 一方、インターネットは情報の受け手を送り手にもすることができる。ウェブログ(ブログ)を書く人が国内で473万人を超えるなど、情報を発信する人が急激に増えた(23)。人がある情報を発信すれば、その情報に対する興味も増すのは自然なことである。環境問題に市民が関心をもつという点で、これはとてもよいことだ。ただここで注意すべき点は、情報の受け手が、ブログなどの個人が発する情報の信頼性の評価方法を学ぶということだ。環境問題は「これは善い、これは悪い」といった二元的な対立では答えを出せない問題が多いからである。また情報の送り手には、その情報が体験によるものか、他の情報から得たものなのかなど、情報の出所を明らかにする姿勢が求められる。

3 メディア・シェアリングで環境問題情報の効果的普及を
 メディア・シェアリングは、メディア・ミックスとは違い、各メディアが特性を活かし、役割を効率的に果たすことによって、あるテーマの情報やメッセージを効果的に伝えていく方法である。メディアミックスに見られるような、メディア間の連携といった労力は必要ない。
 テレビの多チャンネル化や、ブログの流行などからもわかるように、今後もメディアの種類は細分化されていくだろう。また、情報の受け手も無意識のうちに新しいメディアに対し、「このタイプの情報はこのメディアで得られそうだ」とうまく順応していくだろう。メディア多様化の時代の中で伝え手は、それぞれのメディアの性格や受け手が求めている役割をいま一度再認識することが重要である。とりわけ環境問題のような解決が迫られている話題を市民に効率よく浸透させるには、メディア・シェアリングのより一層の明確化が望まれる。


注記
(1)イギリスでは産業革命以前も、燃料として木炭を使っていたために森林破壊が深刻化していた。だが、木炭から石炭への燃料のシフトが本格的な環境問題を引き起こしたことになる。
(2)飯島伸子,「環境問題の社会史」,飯島伸子編『環境社会学』,有斐閣,9-31ページ,1993年.
(3)例えば内閣府が2004年1月?2月に実施した「科学技術と社会に関する世論調査」では「科学者や技術者の話を聞いてみたい分野」の項目に「地球環境問題」「エネルギー問題」「情報・通信技術(IT)」「宇宙開発」「新しい物質や材料の開発」「未知の現象の解明、新しい法則や原理の発見」「科学者自身の経験やエピソード」「海洋開発」「土木・建築・交通・運送技術」が挙げられている。
内閣府大臣官房政府広報室世論調査担当,『科学技術と社会に関する世論調査』,2004年
(4)「環境」と同じように、「問題」という言葉が伴いやすい科学の話題に「資源」「食糧」などが挙げられる。
(5)環境破壊のタイプは、本文でも述べたとおり、工場公害、生活公害、開発公害、地球環境問題の4つに分けることができ、これはほぼ発生の時代順になっている。このうち最初の3つはいずれもその影響を直接目で見ることができる。例えば、工場公害では、人体への影響が症状となって現れる例があるし、生活公害では、ゴミの不法投棄の現場を目撃することができる。また、開発公害でも、騒音などをもたらす原因(建設された空港や新幹線など)の存在を目にすることができる。こうした点で地球環境問題は、規模という点もさることながら、問題の質という点でも新たなタイプのものである。飯島、同上論文.
(6)川端美樹,「地球環境問題とマスメディア」,『目白大学人間社会学部紀要』(1),目白大学,240ページ,2001年.
(7)哲学では、ブラックホールの内側のように観測不可能であっても、そこにはそれが存在すると認める論は実在論といわれる。ウィリアム・パウンドストーン,『パラドックス大全』,青土社,106-113ページ,2004年.
(8)2枚のコインを同時に投げたとき、表−表、表−裏、裏−表、裏−裏の組合せが考えられる。この2枚のコインを量子力学レベルの2つ極微粒子に置き換えると、1つ目が表だったら2つ目も表、1つ目が裏だったら2つ目も裏というように、1つ目の状態に引きずられて2つ目の状態が決定される。このしくみを使うと、暗号を解くための情報が、暗号を解くときの1回きりで消滅してしまうような暗号が可能になる。辻野貴志他,『ナノテクノロジーの世界』,数研出版,140-141ページ,2004年.
(9)内閣府大臣官房政府広報室,『科学技術と社会に関する世論調査』,1998年と2004年.
(10)環境問題に対する関心を回答者に聞いた世論調査としては、以下のものもある。
内閣府大臣官房政府広報室,『地球温暖化防止とライフスタイルに関する世論調査』,2001年,地球環境問題に「関心がある」40.2%、「ある程度関心がある」42.2%.
朝日新聞世論調査,2002年9月27日,環境問題への関心が「大いにある」33%、「ある程度ある」52%.
日経BPコンサルティング,サイト「即問即答!」,2005年,日頃から環境問題を「強く意識している」16.4%、「意識している」62.6%.
(11)東京都生活文化局,『平成15年度 消費者インターネットアンケート調査』,2003年,
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2003/10/60dak101.htm
(12)その他は1.6%、特にないは2.9%、わからないは0.9%だった。総理府広報室,『地球環境とライフスタイルに関する世論調査』,1998年.
(13)民間企業マイボイスコムが2004年11月に10代から50代までの15,178人を対象に実施したインターネット上のアンケートによれば、「よく見る番組」として「ニュース・報道」をあげた人が82%だった。また、「テレビに対する態度」として「欠かさずに見ている決まった番組がある」をあげた人は52%だった(いずれも複数回答)。マイボイスコム,サイト「テレビの視聴スタイル」,2004年,http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/7604/
(14)ラジオは車の中で利用される場合が多く、頻繁にダイヤル他局に変えることは少ないことが考えられる。
(15)2004年現在での日刊紙の戸別宅配率は93.9%。日本新聞協会業務担当調べ,2004年.
(16)金子博美は、1998年4月から7月の毎日新聞朝刊における、環境関連記事の掲載回数や掲載面積を調査し、各記事を次のAからCのタイプに分けた。タイプAは掲載回数が少なく、露出面積も小さいタイプで、こうした記事には、野生生物、リサイクル、大気汚染、有害物質、環境運動、騒音、エルニーニョ、放射能汚染などが含まれる。これらは以前から取り上げられてきた話題ということもあり、回数も多くなく、大きな記事にする理由もさほど無かったのだろう。タイプBは掲載回数は少ないが、露出面積は大きいタイプで、自然、生態系、環境教育、地球温暖化といった話題だ。これらは、話題のスケールの大きく、特集記事が組まれたために、掲載回数は少ないながら広い面積を使った記事となったのだろう。そしてタイプCは掲載回数は多いが露出面積はさほど広くないタイプで、環境ホルモン、ダイオキシンなどが含まれる。1998年当時のホットな話題であり、小さな記事でも次々に報道したり、連載記事にしたりしたことから、頻度は高いながら面積は小さい。金子博美,「報道における環境問題の取り扱い状況・?毎日新聞朝刊の場合?」,『教育学部紀要』(32),文教大学,51-53ページ,1998年.
(17)例えば、日本経済新聞朝刊1部のだいたいの文字量は、11字×78行×15段×40ページ÷2(半分程度は広告や図版の面積なので)=257,400字。これは、文庫本400ページの量に匹敵する。
(18)例えば最近の環境問題を意識した児童書には以下のようなものがある。3点目は「愛・地球博」のキャラクターだったモリゾーとキッコロ登場の絵本。
G.ブレ他著,永田千奈訳,『地球にやさしい人になる本』,晶文社,2004年.
枝廣淳子,『いまの地球、ぼくらの未来 ずっと住みたい星だから』,PHP研究所,2004年.
田代千里,『もりのこえ』,伊藤忠,2004年.
(19)2003年の新刊書籍の平均価格は1,213円。月刊誌の平均価格は527円。プリンターズサークル編集部,サイト「印刷界OUTLOOK2004」,2004,http://www.jagat.or.jp/story_memo_view.asp?StoryID=7669
(20)環境関連雑誌には例えば、以下のようなものがある。
『ソトコト』,月刊,木楽舎.
『日経エコロジー』,月刊,日経BP社.
『環境会議』,月刊,宣伝会議.
(21)総務省,『平成15年度情報通信白書』,2003年.
(22)例えば国立環境研究所は、2005年の6月に京都と東京で開催した「公開シンポジウム2005 地球とくらしの環境学」の中継録画を、研究所のサイトからストリーミングで配信している。http://www.nies.go.jp/sympo/2005/index.html
(23)2005年9月末現在。総務省通信政策局情報通信政策課報道資料,「ブログ及びSNSの登録者数」,2005年.



参考文献
飯島伸子,「環境問題の社会史」,飯島伸子編『環境社会学』,有斐閣,1993年.
内閣府大臣官房政府広報室世論調査担当,『科学技術と社会に関する世論調査』,2004年
川端美樹,「地球環境問題とマスメディア」,『目白大学人間社会学部紀要』(1),目白大学,2001年.
ウィリアム・パウンドストーン,『パラドックス大全』,青土社,2004年.
辻野貴志ら,『ナノテクノロジーの世界』,数研出版,2004.
東京都生活文化局,『平成15年度 消費者インターネットアンケート調査』,2003年.
総理府広報室,『地球環境とライフスタイルに関する世論調査』,1998年.
マイボイスコム,サイト「テレビの視聴スタイル」,2004年,http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/7604/
金子博美,「報道における環境問題の取り扱い状況・?毎日新聞朝刊の場合?」,『教育学部紀要』(32),文教大学,1998年.
G.ブレ他著,永田千奈訳,『地球にやさしい人になる本』,晶文社,2004年.
枝廣淳子,『いまの地球、ぼくらの未来 ずっと住みたい星だから』,PHP研究所,2004年.
田代千里,『もりのこえ』,伊藤忠,2004年.
プリンターズサークル編集部,サイト「印刷界OUTLOOK2004」,2004年,http://www.jagat.or.jp/story_memo_view.asp?StoryID=7669
『ソトコト』,月刊,木楽舎.
『日経エコロジー』,月刊,日経BP社.
『環境会議』,月刊,宣伝会議.
総務省,『平成15年度情報通信白書』,2003年.
国立環境研究所,サイト「公開シンポジウム2005 地球とくらしの環境学」,2005年,http://www.nies.go.jp/sympo/2005/index.html
総務省通信政策局情報通信政策課報道資料,「ブログ及びSNSの登録者数」,2005年.
| - | 21:18 | comments(6) | trackbacks(2)
コメント
漆原さん、すごいですね!優秀賞ご入選、おめでとうございます!論文拝読しました。かなり突っ込んだ内容を、限られた量にまとめているのが凄いな、と思いました。
注記の量に、漆原さんの博学なところが伺えます。
私も、木を見て森を見ずにならないように、もっと広くアンテナを張り巡らさないといけないなぁ、と思いました。
とりあえずは、もっと能動的に新聞を読んでみようと思います。
では、また。
| nn | 2006/03/04 2:32 PM |
nnさん、どうもありがとうございます。
注釈は、字数制限があったため、あふれた部分を回したら、こんなになりました。ただ単に収拾がつかなくなっただけなんです。
論文にも書いたブログは、nnさんに触発されて始めた口です。きっかけを作ってもらい感謝しています。
| 漆原 | 2006/03/04 8:02 PM |
素晴らしい論文ですね。

受賞作品についてはどのような講評が学校側からはなされましたか?
| K | 2007/02/26 6:58 PM |
Kさん、こんにちは。

とくに学校側からの「講評」はなかったんですよ。
学校が配布している機関誌の中で、結果の通知があるのみでした。

でも、いま読み返してみると、語尾に「だ。」が多かったり、内容も改善すべき点に気づいたりするものですね。

コメント、どうもありがとうございました。
漆原。
| 漆原 | 2007/02/28 4:44 PM |
昨年度の「環境に関する論文」の最優秀賞はどういうタイトルでどのような内容でしたか? また応募総数は何通でしたでしょうか?

もしよろしければ教えてください。
| K | 2007/03/05 5:53 PM |
Kさん、こんばんは。

昨年度の最優秀賞のタイトルと内容は、残念ながら私のほうでは把握していません。ごめんなさい。

応募総数もわからないのですが、私が受賞した年度は、そんなに多くなかった(指で数えられるくらい)と記憶しています。

漆原。
| 漆原 | 2007/03/06 11:47 PM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sci-tech.jugem.jp/trackback/56
トラックバック
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2007/06/18 10:42 AM |
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2007/01/17 4:42 AM |
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE