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国際規格取得で、民間航空機にバイオ燃料を使えることに

写真作者:MIKI Yoshihito

ことし2020年、日本企業が航空機のバイオ燃料の実用化に向けて歩みを進めています。

ジェットエンジンにより推力を得る航空機で使われる燃料のうち、生きものの資源からつくる燃料は「バイオ燃料」とよばれます。バイオ燃料は、使ったら二酸化炭素の排出量が増えていく一方の化石燃料とちがって、使った分だけ新たに生きものに二酸化炭素を吸ってもらえば、原理的には二酸化炭素の排出量と吸収量を相殺することができます。そのため、二酸化炭素の排出量を抑えられるとされています。

2020年1月、ユーグレナという企業が、横浜市のバイオ燃料製造実証プラントに導入している製造技術について、米国のASTMインターナショナルという機関が定める航空機搭載代替ジェット燃料の国際規格「ASTM D7566」の新規格を取得したと発表しました。

ユーグレナはこれまで、ミドリムシという植物のように光合成をする原生動物を原料にしたバイオ燃料を開発してきました。同社は規格取得により、このプラントでつくった燃料を民間の航空機に使えることになりました。

おなじく6月には、重工企業のIHIも、効率よくバイオ燃料をつくる技術について、同様にASTMインターナショナルの国際規格を取得しています。同社は、ボツリオコッカスという淡水性の微細藻類を原料にバイオ燃料を開発してきました。

航空分野では、「化石燃料からバイオ燃料へ」という大きな流れが進んでいます。日本をふくむ193か国が加盟している国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)という国連の機関は、2027年から、航空機燃料からの二酸化炭素排出を抑えることを義務化すると定めています。

参考資料
ユーグレナ 2020年1月31日発表「ユーグレナ社のバイオ燃料製造実証プラント導入技術が国際規格ASTMの新規格を取得」
https://www.euglena.jp/news/20200131-2/
IHI、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 2020年6月8日発表「微細藻類から製造するバイオジェット燃料が国際規格ASTM認証を新規取得」
https://www.ihi.co.jp/ihi/all_news/2020/other/2020-6-08/index.html
資源エネルギー庁 資源・燃料部 2019年6月「バイオ燃料の導入に係る高度化法告示の検討状況について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/pdf/027_05_00.pdf
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