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1円のぞき「現在発行されていないが通用力を有する貨幣」あり

写真作者:ぽん56

「かねは天下の回りもの」などといいます。財布のなかの紙幣や硬貨は、つぎからつぎへとやってきては離れていくわけです。

いまもたまに、まわりにギザのついた10円貨幣つまり「ギザ十」のような古い貨幣を見つけることがあるでしょう。こうした古い貨幣は、財務省では「現在発行されていないが通用力を有する貨幣」と位置づけています。

「ギザ十」があるように、ほかの円単位でも現在発行されていないが通用力を有する貨幣はあります。

5円貨幣では「フデ五」とよばれる、書体が明朝体系のものがあります。見わけかたは、書体のほか「日本國」のように旧字体で書かれている点。さらに5円硬貨では、1948(昭和23)年と1949(昭和24)年だけ発行された「穴なし」もあり、これも有効力を有しています。

5円や10円にくらべると滅多に見かけませんが、50円や100円の硬貨にも現在発行されていないが通用力を有する貨幣はあります。50円では「無孔」と「大孔」が。また100円では「稲穂」と「鳳凰」とよばれる銀貨幣がそれぞれあります。

古い5円や10円にくらべて、古い50円や100円の硬貨をあまり見かけないのはどうしてでしょう。現在発行されていないが通用力を有する貨幣それぞれの合計発行枚数はつぎのようになっています。

5円硬貨の「無孔」が2億5421万2000枚、「フデ五」が計6億5170万枚。

10円硬貨の「ギザ十」が17億7300万枚。

50円硬貨の「無孔」が2億1200万枚、「大孔」が5億8120万枚。

100円硬貨の「鳳凰」が1億枚、「稲穂」が3億9000万枚。

たしかに5円や10円にくらべると50円や100円の硬貨の発行枚数はすくなめではありますが、大差はありません。いま使われているのと意匠が大きく異なる貨幣は目だちやすく、人から手離れしづらいということでしょうか……。

1982年から使われはじめた500円硬貨にも古い意匠のものがあります。かんたんな見わけかたは、「500」の文字の「0」の真んなかで空いた意匠になっているかどうか。空いていれば古い硬貨で、草履の裏側のように空いていなければ新しい硬貨です。

唯一、1円硬貨のみ、現在発行されていないが通用力を有する貨幣がありません。つまり、いまの意匠で発行された当初から、一貫しておなじ意匠を貫いています。

いまの意匠の1円硬貨は1955(昭和30)年にはじめて発行されました。1円硬貨の意匠は、硬貨としては日本で初めて公募されたものとされます。おもて面の「若木」は中村雅美さんという京都府の方の案が、また、うら面の「1」は高島登二雄さんという大阪府の方の案が、それぞれ採用されました。

参考資料
財務省「通常貨幣一覧」
https://www.mof.go.jp/currency/coin/general_coin/list.htm
財務省「年銘柄別貨幣製造枚数」
https://www.mint.go.jp/media/2020/02/nenmeibetsuH31.R1.pdf
お金と切手の展示室「現行硬貨の紹介」
http://www14.plala.or.jp/wanetjp/gennkou_coin/syokai.html
お金の教室「1円玉に書いてある木って何? デザインは誰?」
https://money-classroom.net/money/1yen-design/
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