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「似た海岸線」は偶然で必然


千葉県のJR館山駅にある地図です。館山駅を訪れ、この地図をはじめて見た人は、つぎのように感じるかもしれません。

「あれ。房総半島の南までやってきたのに、現在地が半島のつけ根をさしているぞ。なんでだ……」

この地図の下へと突きだしている半島は、房総半島ではありません。房総半島にある館山市内の洲崎という地域あたりの半島です。ただ、なんとなく、房総半島に見えなくもありません。ちなみに、この地図では上が東で下が西になっています。


房総半島
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館山市内の洲崎の半島
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房総半島と館山市内の洲崎の小さな半島がなんとなくにているのは、「偶然でもあり、必然でもある」といえます。

海岸線には、自己相似性があるといいます。自己相似性とは、部分と全体がよくにているということ。つまり、地面から遠く離れた空から見下ろしても、地面に近いところの空から見下ろしても、かたちだけでは見わけのつかないような海岸線があるというわけです。こうした性質は、数学では「フラクタル」ともよばれています。

つまり、房総半島と洲崎の半島の海岸線が似かよっているのは偶然といえるものの、そうした偶然が生じるのは自然界の法則に裏うちされた必然であるわけです。

海岸線のかたちの自己相似性は、理論的には、どれだけ地面から遠ざかっても近づいても保たれます。ためしに、この洲崎の半島のなかに、さらに似たかたちの海岸線がないかと探してみると、どうでしょう。

似ていなくもない海岸線がありました。ちょっと厳しいでしょうか……。


館山市内の洲崎の半島のなかの海岸線
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近くに家や船があるので規模感はつかめますが、人工物がなにもなければ、この海岸線がどのくらいの規模なのかいよいよわかりづらくなります。

海に囲まれた日本列島には、とても長い海岸線があります。グーグルマップなどでくまなく調べれば、似かよった大きな海岸線と小さな海岸線は、いくらでも見つけることができます。

参考資料
ASCII.jpデジタル用語辞典「フラクタル」
https://kotobank.jp/word/フラクタル-8288
知恵蔵「フラクタル」
https://kotobank.jp/word/フラクタル-8288

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