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成果報酬額が上まわれば「成果ごとに寄付額10万円加算」もなりたつ


写真作者:money

マラソン選手の高橋尚子さんが、2020年の「24時間テレビ」で走者となるそうです。そして、5キロメートルを走るごとに、高橋さんがみずから10万円を寄付していくそうです。高橋さんが放送局にもちこんだ企画と伝えられます。

走れば走るほど寄付する額が増えていくというこのしくみに、「理解できない」という声も上がっているといいます。

おなじような寄付のしかたとして、プロ野球選手の「本塁打を打つごとに定額を寄付する」といったものがあります。1本ごとに5万円を寄付するといったもの。額は10万円、はたまた30万円といったこともあるようです。

こちらも、本塁打を打てば打つほど、選手から自分のお金が離れていくことになります。「30万円も手ばなさなければならないなら、本塁打を打たないほうがいいじゃないか」と考える人もいるかもしれません。

ただし、プロ野球選手の報酬には査定のしくみがあり、「本塁打1本で何点」「打席1回で何点」といったように点数があたえられるといいます。たとえば、本塁打1本で50万円分の点が加えられるとすれば、たとえ本塁打1本につき30万円の寄付をしていったとしても、本塁打を打てば打つほど自分の収入は増えていくことになります。

では、「24時間テレビ」における高橋尚子さんの場合はどうなのでしょう。

たとえば、「5キロメートル走るごとに、出演料が20万円ずつ加えられていく」といったしくみがあるとすれば、10万円を寄付したとしても、報酬は増えていきます。

もちろんこれは仮の話です。慈善的な企画とされる「24時間テレビ」に出演料が生じるのか、生じるとすれば金額はいくらかといったことを、主催者の放送局は明らかにしていません。この放送局以外の媒体が「欽ちゃんは2000万円」などと噂を流しているのはべつとして。

高橋さんがはりきって走れば走るほど、視聴率は上がることが見こまれます。もし高橋さんにも出演料があるのだとすれば、放送局側は、こうした成果報酬のしくみを高橋さんにもちかける可能性はあるのではないでしょうか。「1周5キロごとに20万円上積みします」といった具合に。

しかし、こうした打算はあくまで打算です。

そもそも、成果をあげるほど金額があがるかたちの寄付を、プロ選手や金メダル級の成績を収めた選手が、損得勘定をもとにおこなっているのかというと、それはなんともいえません。損得を抜きにして、みずからの発揮する力を社会に役立てたいと考える選手もいることでしょう。

すくなくともいえることは、人間には「合理的な経済人」とは異なる考えかたで行動をとることがあるということです。

参考資料
JCASTトレンド 2020年8月17日付「『24時間テレビ』高橋尚子がチャリティー走『ランナー自ら寄付』に首かしげる人」
https://www.j-cast.com/trend/2020/08/17392309.html?p=all
年俸.jp「プロ野球選手の年俸の決め方は?査定の仕方・給料の仕組みは?」
https://年俸.jp/data/nenpou-kimekata/

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