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「インターナショナル感でなくグローバル感」楽曲でも
「インターナショナル(international)」と「グローバル(global)」は、どちらも「国際的であること」などを意識したことばといえます。

しかし、「インターナショナル」が、「国家(national)」の「間(inter)」つまり国どうしの関わりについて表していることばであるのに対し、「グローバル」が「地球(globe)」をもとにしたことばであるという点で、人びとにあたえる印象はかなりちがいます。日本では、1980年代ごろまではさかんに「インターナショナル」が使われてきましたが、それにとってかわるように「グローバル」が使われるようになった印象があります。ただし、「グローバル」も1960年代からすでに雑誌記事の見だしなどに使われていたようではあります。

音楽の分野でも、「インターナショナル」でなく「グローバル」の印象をあたえる楽曲はあります。かつて放送されていたクイズ番組「なるほど!ザ・ワールド」の1981年から1990年にかけての開始曲「トランプス・ディスコのテーマ」もそのひとつではないでしょうか。

この楽曲は、ディスコ曲やソウル曲を手がけた米国のバンド「ザ・トランプス」が1975年に発表したアルバムレコード「トランプス」のB面最初、全体では10曲のうちの6曲目に入れた楽曲です。ともにザ・トランプスの一員として活躍した、ロニー・ベイカー(1947-1990)、ノーマン・ハリス(1947-1987)、アール・ヤング(1940-)が「トランプス・ディスコのテーマ」をつくりました。


「トランプス・ディスコのテーマ」が収められたトランプスのアルバム「トランプス」

この楽曲のグローバル感は、導入のところから全開されています。吹奏楽の合奏が、地球そのものを客観的に捉えたような包括さを感じさせます。その後、すぐにもっとも印象的な旋律が始まり、船か飛行機か、大きな乗りものに乗って地球のさまざまなところを旅するような気分にさせてくれます。旋律から、地球のどこかのサバンナや砂漠を思いうかべる人も多いのではないでしょうか。

もちろん、ベイカー、ハリス、ヤングの3人が「グローバル」を意識してこの楽曲をつくったわけではないでしょう。むしろ、「なるほど!ザ・ワールド」の番組制作者がこの楽曲を番組開始曲に選んだことで「グローバル」な印象が人びとに植えつけられたというのが自然な流れといえそうです。

「トランプス・ディスコのテーマ」は、「なるほど!ザ・ワールド」の開始曲に使われ始めるより4年もまえに、ラジオ番組「ひがのぼるの三菱ダイヤモンドハイウェイ」の開始曲として使われていました。「なるほど!ザ・ワールド」にこの楽曲が選ばれた経緯は不明ながら、このラジオ番組で使われていた実績が、「なるほど!ザ・ワールド」での楽曲採用にかかわっていた可能性はありそうです。

その後、2006年に全日本空輸の、成田-シカゴ線の就航を伝えるための放送広告の楽曲としても使われるなどしています。ただし、この放送広告は、シカゴの魅力のみをうちだしたものとなっており、グローバル感のある楽曲との親和性はさほどありません。

ザ・トランプスの楽曲や演奏は、米国フィラデルフィア発のソウル音楽を総称した「フィラデルフィア・ソウル」の一角をなすものとして位置づけられています。「トランプス・ディスコのテーマ」はフィラデルフィア・ソウルの「基本形」と評されることもあるようです。

参考資料
ウィキペディア「なるほど!ザ・ワールド」
https://ja.wikipedia.org/wiki/なるほど!ザ・ワールド
wikipedia “Trammps(album)”
https://en.wikipedia.org/wiki/Trammps_(album)
Youtube「なるほど!ザ・ワールド オープニングテーマ曲」
https://www.youtube.com/watch?v=8Vac-PpeZRI
Youtube「ANA CM 2006」
https://www.youtube.com/watch?v=jyE2d7ArMzE
soulbounce wiki「Trammps / Trammps」
http://soul.s54.xrea.com/wiki/index.php?Trammps
ウィキペディア「フィラデルフィア・ソウル」
https://ja.wikipedia.org/wiki/フィラデルフィア・ソウル
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