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建てもの2階の神社、屋上神社とはまたちがい


日本の都市では、神社が現代建築に組みこまれているところがあります。写真の神社は、東京・東日本橋にある初音森神社の摂社。摂社とは、本社に付属する神社です。この神社の本社は隅田川を渡った千歳という地区にあります。

現代建築に組みこまれた神社のかたちでよくあるのが、屋上に社殿が建てられているというものです。百貨店の屋上には神社が多く、西武池袋の伏見稲荷神社の分社、銀座三越と日本橋三越の三囲(みめぐり)神社の摂社、上野松坂屋の峺邂隹擔声劼諒霊などがあります。

屋上は開けたところなので、建てものができたとき、あらためて神社を建てるには向いているのでしょう。ただし、屋上神社の多くは小さなもので、神社の事務を担うようなところはそう見られません。


2階。右手に儀式殿

その点、初音森神社の摂社は、13階だての建てものの2階にあります。そして、初音森神社全体のなかでは、儀式などをおこなうための儀式殿として位置づけられ、事務もこちらでおこなわれているといいます。

もともと、この神社はいま摂社があるところに近い初音之里という地にありました。元弘年間の1330年ごろに開かれ、文明年間(1469-1487)には武将の太田道灌(1432-1486)が社殿を建てたとされます。古地図や文献などの情報からすると、いまの摂社から西に50メートルほどの馬喰町2丁目あたりにあったと考えられます。しかし、1657(明暦3)年、江戸で大火が起き、神社があった地は幕府の役職のひとつ郡代の屋敷となったため、神社は隅田川の向こう岸の千歳に移されました。

とはいえ、神社をまつる人たちは引きつづき初音之里に住みつづけたため、神社と住民地域が川を隔てて離れている状態がつづきました。

そうしたことから昭和も戦後になり、初音之里とよばれていた東日本橋の地に摂社が建てられることになったといいます。そして、1974(昭和49)年、13階だての建てものが建てられ、その2階に儀式殿を備えた摂社が置かれるようになったといいます。

建てものに神社が組みこまれるかたちは、都市での使える土地がかぎられているという事情からくるものでしょう。それとともに、もともと「神は目に見えないもの」という考えがあったことから、神社の立地については自由度が高いということも理由としてあるのかもしれません。

参考資料
神社と御朱印「初音森神社」
https://jinja.tokyolovers.jp/tokyo/sumida/hatsunemorijinja
猫の足あと「初音森神社摂社」
https://tesshow.jp/chuo/shrine_enihonbashi_hatsunemori.html
東京都神社庁「初音森神社」
http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/sumida/5246/
NAVERまとめ「東京 もはや珍しくない! ビルの屋上にある神社」
https://matome.naver.jp/odai/2142262418058808801?page=2
江戸(切絵図)「日本橋北内神田両国浜町明細」
https://map.goo.ne.jp/history/edo/map/5/
ウィキペディア「神社」
https://ja.wikipedia.org/wiki/神社
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