科学技術のアネクドート

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気が紛れないときも紛れるときも



「この仕事しなければならないのに」と、重圧を感じながらその時間を過ごしているという人は、すくなからずいるのではないでしょうか。納期がだんだんと近づいてきているのに、なかなか作業に手をつけないでいるような状態の人には「いま仕事をしなければならないのに」という重圧が高まってきます。

しかし、その重圧の度は、えてして相対的なものでもあります。つまり、べつの仕事をどれだけ抱えているかで「仕事をしなければならないのに」とどれだけ心にのしかかるかは変わってくるということです。そして、べつの仕事を多く抱えていればいるほど「この仕事しなければならないのに」と感じる度は下がるということです。

ある請けおい仕事をしている人はつぎのように言います。

「仕事をただひとつだけ受けているとします。その仕事に手がづかず、作業をしないでいると、『ああ、もうやらなければならないのに』と強く感じます。けれども、仕事をたくさん受けているとします。すると、ひとつの仕事に対して、『ああ、もうやらなければならいのに』とあまり感じなくなります。その仕事ひとつの作業量や納期は変わらないのに……」

この人の言うことを、かんたんに表すと「手がつかない仕事に対して、気が紛れないときと紛れるときがある」ということになりそうです。

請けおっている仕事がひとつだけのなかで、その仕事に手がつかないでいると、手がつかない仕事の率は10割ということになります。これは重圧を感じる状況でしょう。その仕事しか請けおっていないにもかかわらず、その仕事に手がつかないのですから。こうなると、「仕事をしなければならないこと」よりも「仕事をしなければならないのにしないでいること」に心の負担を覚えるようになります。

いっぽう、請けおっている仕事が10個あるなかで、あるひとつの仕事に手がつかないでいると、手がつかない仕事の率は1割ということになります。これはあまり重圧を感じない状況ではないでしょうか。ほかの仕事を進めているなかで、そのひとつの仕事に手がつかないのですから。「べつの仕事を先に済ませなければならないから、この仕事に手がつかなくてもしかたないことだ」といった、自分への言いきかせの効果が生じ、あまり心の負担を覚えることはありません。

どちらの場合でも、「手がつかないひとつの仕事」に注目すれば、納期が迫ってきているといった状況はおなじ。それにもかかわらず重圧が変わってくるわけです。人がいかに仕事に対して、自分のなかで折りあいをつけて対処や決着をつける生きものであることか……。

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