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「優れたものを避けられないようにする」意味と「そもそも分ける必要がない」意味と……


きょう(2020年)7月16日(木)から、店で売られるなどしている食べものの容器包装に記されることばの一部が変わります。「人工」と「合成」が使われなくなるというもの。内閣府消費者委員会の食品表示部会が5月25日(月)に方針を固めためので、きょうから施行されることになりました。

「人工」「合成」のことばを使わないことの意味はどういったものでしょう。理屈的には、その意味には二つの可能性が考えられます。

一つめは「『人工』や『合成』の添加物のほうが優れた機能をもっているにもかかわらず、人びとに避けられてしまっているので、避けられないようにする」というもの。「優れたものを避けられないようにする型」の意味といえます。「人工」や「合成」と記されていた食品を嫌がっていた人からすれば、「人工」や「合成」であるほうが優れているというのは信じがたいことかもしれませんが。

もう一つは「『人工』や『合成』の添加物と、そうでない添加物の機能にちがいがないのだから、そもそも分ける必要がない」というもの。「そもそも分ける必要がない型」の意味といえます。

では「優れたものを避けられないようにする型」と「そもそも分ける必要がない型」。今回の「人工」「合成」のことば削除の意味はどちらかのか。

「どちらなのか」と書いたものの、この二つの種類の意味は「どちらかが立てばどちらかが立たない」といった類ものではありません。よって「優れたものを避けられないようにする型」と「そもそも分ける必要がない型」の両方の意味が入っていると考えることはできそうです。

なお、今回の検討会での資料などからすると、食品企業が包装容器に「人工甘味料を使っていません」とか「合成保存料は使っていません」といった文言を記すことで、消費者がそうした文言の記されている食品のほうを選んでしまうので、それを避ける目的での「人工」「合成」のことば削除であることがうかがえます。

参考資料
消費者庁食品表示企画課 2020年5月「食品表示基準の一部改正について」
https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/200525_shiryou1_1.pdf
JBpress 2020年7月15日付「『人工甘味料』『合成保存料』の言葉が消える日」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61274
日本ネット経済新聞 2020年6月4日付「消費者委員会、添加物の表記で『人工』『合成』を削除 食品表示の基準を改正へ」
https://news.mynavi.jp/article/20200604-1048554/
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