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「自転車通勤への道、新型コロナで加速もブレーキ要因あり」


時事通信社のウェブニュース「時事ドットコム」で、きのう(2020年)7月14日(月)「自転車通勤への道、新型コロナで加速もブレーキ要因あり」という記事が配信されました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19:COrona VIrus Disease 2019)を引きおこす「密」な状況を避けようと、通勤手段を電車やバスなどから自転車にきりかえる動きがあります。

いっぽうで、記事の題にあるように、その動きを阻むような「ブレーキ要因」の課題もあります。企業や個人の課題もありますが、もっとも大きな課題は記事にもある、行政の道路環境整備でしょう。具体的には「公道で自転車が走りやすい場所の確保」です。

自転車を走らせる場所については「車道が原則、歩道は例外」とされています。これは道路交通法という法律に則ったもの。「自転車は車両の一種なので、車道を走るもの」という考えが基本的にあります。

ところが、車道を走ることを認識したり実践したりしている自転車利用者は、むしろ少数派です。「圧倒的に少数派」といってもよいかもしれません。実際、街に出て、車道で漕いでいる人が多いか、歩道で漕いでいる人が多いかをしばらく見てみれば明らかでしょう。

多くの人びとが車道でなく歩道で自転車を漕ぐ理由は、「車道は危険で、歩道のほうが安全」と思っているからです。民間団体が、歩道を走る自転車乗りたちにその理由を聞いた調査では、54.8パーセントの人が「歩道の方がクルマがいなくて安全」をあげました。

しかし、歩行者にとってみれば、歩道を走る自転車は接触事故などのもとになりえます。

歩行者よりは強い立場だけれど、自動車よりは弱い立場。自転車は、そんな中途半端で肩身の狭い位置にあるといえましょう。

車道の路面に青く塗られた専用専用通行帯や、自転車の絵が描かれた自転車走行空間があるところは、狭いながらも、まだ自転車が走るのに向いた場所があたえられているといってよいでしょう。

しかし、地域によってはそうした自転車のための場所が確保されていない車道が多くあります。自治体の力の入れ具合の差が出ているのでしょう。

自転車施策を担当する国土交通省の大臣や、警察庁交通局の長、また各都道府県の交通課長たちは、車や電車で通勤しているのであれば、1週間ほど自転車に切りかえてみたらどうでしょう。「公道で自転車が走りやすい場所の確保」に向けた動きが進むのではないでしょうか。

コロナ禍で自転車通勤者が増えれば、自転車事故の危険や件数も増えるかもしれません。それにより自転車のための道路整備が進み、自転車通勤が普及したとしても、その過程はよいものとはいえません。

まず、道路整備が進み、事故の危険や件数が減るなかで、自転車通勤が普及するという過程こそ、めざされるものといえます。

「自転車通勤への道、新型コロナで加速もブレーキ要因あり」の記事はこちらです。
https://www.jiji.com/jc/v4?id=202007jttm0001

記事の取材と執筆をしました。
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