科学技術のアネクドート

<< 「本の情報劣化」避ける努力の価値下がる | main | 「自転車通勤への道、新型コロナで加速もブレーキ要因あり」 >>
からだのつくりからも、危険への対処からも、立って寝る

写真作者:Richard Toller

動物には立って寝る種類のものがあります。

ふだん4本足で立っている草食動物の哺乳類たちには、立って寝るときのある動物が多いようです。たとえばシマウマ、ウマ、キリン、ゾウなど。これらには立って寝る理由がいくつかいわれています。

理由のひとつは、からだのつくりからくる必然的なもの。草食の哺乳類たちは、食べた草を消化するため、からだになかに細菌をたくさんすまわせています。細菌が草を処理すると、メタンガスなどの気体が生じます。これら哺乳類たちがからだを横に向けたままでいるとげっぷを出せず、気体がからだにこもったままに。そのままにしていると、気体で満たされた内臓が破裂してしまうため、寝るときも立たなければならないとのこと。

よりよくいわれている理由は、危険に対処しやすいためというものです。自然のなかでは、いつ敵の動物が襲ってくるかわかりません。横になっていると、襲ってくる敵から逃げるなど対処するのに時間がかかってしまいます。襲われる危険を減らすため、立って寝るというわけです。

これらの動物たちも動物園では、横たわって寝ている姿がよく見られます。敵に襲われることはないということを心えていて、安心しているからとされます。げっぷが出ずに内臓を破裂させてしまわないくらいの短さで寝ているのでしょう。

種によるでしょうが、ペンギンにも立って寝るときがあるといいます。とくに昼寝をするときに立って寝るペンギンの姿がよく見られるとも。米国のカンザス市動物園は、「KC Zoo Penguin Cam」というユーチューブのライブ配信で、ペンギン舎でのコウテイペンギンたちのようすをずっと映しています。何羽ものペンギンが立ったままじっと動かないないでいるときは、みんな寝ているのかもしれません。

草食の哺乳類もペンギンも、立っているときのからだには安定性があるため、立って寝るのにも向いているのでしょう。

なお、ヒトでも立って寝る姿は観察されます。とくに夜中の電車内で観察される機会は多いようです。これは、動物でいうところの自然界で見られる姿といえるでしょう。しかし、草食の哺乳類たちよりも、ヒトのほうが「しかたなしに」の度は高いといえます。

参考資料
AERA dot. 2018年12月30日付「横になると体が爆発!? シマウマが立ったまま寝る理由 ブラックないきもの図鑑」
https://dot.asahi.com/aera/2018122700047.html?page=1
ダイヤモンドオンライン 2017年12月29日付「『けもフレ』の聖地・東武動物公園で目撃した、動物たちのせつない真実」
https://diamond.jp/articles/-/154358
東京ズーネット「アジアゾウ豆知識」
https://www.tokyo-zoo.net/topics/profile/profile06.shtml
えのすいトリーター日誌 2018年4月20日付「ペンギンの寝方」
https://www.enosui.com/diaryentry.php?eid=04525
| - | 12:00 | comments(0) | -
コメント
コメントする









CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE