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「一括で現在位置で表示」が理想的
災害により予測される被害について、その種類、場所、危険度などを示した地図がそれぞれの自治体から出されています。「災害予測地図」あるいは「ハザードマップ」とよばれます。

自分の暮らしている地域で、どのような被害が起きうるかを調べるというのが、災害予測地図のおもな使いかたのひとつです。

しかし、自分の暮らしている以外の地域についても、どのような被害が起きうるかを調べておくことが役立つということもありえます。たとえば、これから出張などで出向く地域に大雨の予報が出ているとします。自分の過ごす場所や、泊まる宿がある場所がどのくらいの危険度になっているかを調べておくことは、心がまえにも安心材料にもなります。

とはいえ、これから出向く地域の自治体のウェブサイトで災害予測地図を開いて調べるといったことまでする人は、よほどの心配がないかぎり、いないのではないでしょうか。

その点、スマートホンに入っている全地球無線測位システム(GPS:Global Positioning System)を使って、自分のいる場所の災害危険度を調べることができれば便利です。

この求めにある程度、応じているといえるのが、国土交通省がインターネットで公開している「重ねるハザードマップ」という地図です。


「重ねるハザードマップ」における災害予測地図。スマートフォンで表示

この地図は、国が管理している全国109水系の河川で洪水や浸水が考えられうる区域を、日本全国にわたって確かめられるもの。以前は、河川を管理する地方整備局ごとに災害予測地図を示すのみでしたが、「重ねるハザードマップ」では一括して表示されます。

さらに、スマートフォンでこの「重ねるハザードマップ」のサイトに入り、画面右下にある「現在地」のアイコンを押すと、自分のいる位置が地図上の中心に示され、そこでの災害危険度が色分け表示されます。対象となる災害は、洪水、土砂災害、津波。加えて、道路で冠水のおそれがある場所なども表示させることができます。


現在地周辺の地図を表示させるためのアイコン

これで、出張先などのふだんはなじみない場所での、どのような災害のおそれがあるかをつぶさに見られるわけです。

ただし、国土交通省が公開しているこの地図で対象となっているのは、国が管理する河川のみ。市区町村といった自治体が出している災害予測地図は対象となっていません。

災害予測地図は、見られれば見られるほど、使われれば使われるほど役立つものです。国や市区町村などのあらゆる機関が出している災害予測地図がおなじ地図上で示され、かつ自分のいまいる位置についての災害危険情報が示されるようなれば、理想的な災害予測地図となることでしょう。

ただし、自治体のことは自治体でおこなうというのが原則となっていることなどから、国がこうした地図をつくるのはむずかしそう。グーグルがグーグルマップにおなじような機能をもたせることはあるかもしれませんが。

参考資料
国土交通省 2018年6月8日発表「スマホで簡単確認! 身近な河川どれくらい浸水するの? 梅雨や台風に備え、想定最大規模の洪水浸水想定区域が簡単に確認できるようになりました」
https://www.mlit.go.jp/common/001237894.pdf
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