科学技術のアネクドート

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最善策は近づかず、視線もあたえず


ネコが好きながらも飼っているわけではないという人にとって、街なかをうろうろしている地域猫や野良猫との遭遇は、ちょっとしたうれしい偶発的事件といえましょう。

ヒトのほうから仲よくなろうと積極姿勢でネコに向かっていきます。しかし、ネコは行ってしまいます。ネコにしてみれば「なんかしらんけど、でっかいヤツが迫ってきよった。とりあえず逃げとこ」といった心境でしょう。

しかし、たまにネコのほうから、「おまえに興味がないわけでもないけどな」とでも言いたげに、ヒトにおそるおそる向かってくるときもあります。ネコが好きなヒトからすれば、ふだんはツンデレならぬツンツンした姿勢のネコに興味をもたれるとは、このうえない至福でしょう。

ところが、やはりそんなネコに対して、ヒトが積極姿勢をとると、ネコは向こうへ行ってしまいます。

ヒトが2020年になってから意識して身につけようとしているのとちがって、ネコたちには昔から「社会的距離」の感覚が備わっていたようです。その距離はだいたい2メートル。なじみのない個体がそれ以上、自分に近づくと、ネコは逃げだしてしまいます。

ですので、自分に興味を示しているように映るネコと仲よくなろうとすれば、とりあえずはじっとしていることが、ヒトとしてまずすることとなります。

しかも、ネコに視線を送ることは、ネコに威嚇攻撃ととらえられがちです。研究でも、ヒトから送られた視線を避けようとするネコの反応が見られたとのこと。この点からすると、目を合わせないことも大切になります。

つまり、このときのヒトは、なにもしないことがネコに逃げられないようにする最善の手だてとなります。餌をあたえて興味をそそるといった、超法規的とされかねない手段を行使すればべつですが。

さらにネコが消極的ともいえる積極姿勢を見せ、ヒトに寄ってきたときは、自分の人さし指をネコに向けてにおいを嗅がせるとよいとされます。ネコにとってにおいの交換が、ヒトでいう握手的な行為にあたるとされます。本来、ネコどうしは「鼻と鼻」でにおいを交換しますが、ネコとヒトで「鼻と鼻」はネコにとっていきなりすぎます。

ネコとこうしてあいさつまでできたとしてもなお、ネコは突然にヒトから逃げていってしまうことがあります。そこまで距離が近づいたのに、そっぽを向かれるのは、残念なことではあります。

しかし、対人関係ではないので、こうしたことにいちいち理不尽さを覚えるのは見当ちがいといえます。

参考資料
マイナビニュース 2017年5月31日付「野良猫と仲良くなる方法は? 獣医師が解説」
https://news.mynavi.jp/article/20170531-noracat/
のらねここらむ 2018年10月3日付「野良猫に懐かれる仲良くなる方法。手なずけ方」
https://noranecolumn.com/howtomakefriend/
子安ひかり・長澤美保「ネコにおけるヒトから向けられる視線の認識」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/janip/advpub/0/advpub_69.2.3/_pdf/-char/ja
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