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だれにも不要なルールこそ「真の謎ルール」

写真作者:Aart van Bezooijen

人びとがなにかをするにあたって、気まま勝手にしていては、ほかの人が迷惑をこうむるため「ルール」がつくられます。自分自身だけに課されるルールというのもありますが。

必要性を理解できないようなルールに対し、人は「これは謎ルールだ」といいます。世のなかには「謎ルール」とよばれているルールは多くあるようです。「水を飲むのは先輩から」といった部活動での謎ルール、「委員をかならず一度はやらなければならない」といった父母と教師の会での謎ルール、「役職が下の社員は捺す印鑑をななめにしなければいけない」という職場での謎ルールなどなど。

たしかに、多くの人たちからすれば、「なんでそんなルールがあるのだ」と不可解に感じるようなルールはあることでしょう。

しかし、ルールは自然界の法則などを除けば、人がつくるものです。だれかがつくったのであり、つくったからにはなにかの理由があったのでしょう。

たとえば、上の「水を飲むのは先輩から」は、形式的に先輩の威厳を保つための手だてとしてだれかがつくったのでしょう。「委員をかならず一度は」は、だれも委員をやりたがらないためにだれかがつくったのでしょう。「役職が下の社員の捺す印はななめ」は、上役のほうが偉いというのを象徴的に示すためにだれかがつくったのでしょう。つまり、「謎ルール」とよばれるルールをつくった人からすれば、それは謎ではないわけです。「なんで自分でもつくったのかわかりません」という場合を除けば。

そうなると、多く「謎ルール」とよばれているルールは、「納得いかないルール」とか「理不尽なルール」とよぶほうがよいかもしれません。

しかし、そうしたルールがあるなかでも、真の「謎ルール」というのもあるのではないでしょうか。

そのルールに縛られている人すべてが「このルールはなぜあるのだろう」と疑問を抱きながらも、保たれているようなルールがあります。だれもが「要らなくていいのに」と思いながらも「ルールだから守らなければならない」といったものです。

つまり、意義や必要性を認める人がだれもいないのに、守られているルールこそが、真の「謎ルール」といえるのではないでしょうか。

参考資料
スタディサプリ進路#高校生なう「あなたの学校にある先輩・後輩ルール、教えて! 高校生実態調査」
https://shingakunet.com/journal/column/20151203170000/
PTA会長はつらいよ!? 2020年6月4日付「PTA委員・役員は必ず1回はやらなければならない!?」
https://pta.hatenadiary.jp/entry/2020/06/04/184300
@sugipack 2018年3月30日付「『印鑑を傾けて押す』という謎のビジネスルールを言い出すなら全員が同じこと言って欲しいんだよな」
https://twitter.com/sugipack/status/979724630553370625
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