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アジサイの元を辿ればガクアジサイ


  額の花こころばかりが旅に出て 森澄雄

梅雨の季節の花のひとつにアジサイがあります。ユキノシタ科の低木です。鞠のように花がいちように丸く覆っているものは「アジサイ」や「ホンアジサイ」などとよばれます。

いっぽう、花の内側と外側の模様が変化に富んでいるアジサイは「ガクアジサイ」とよばれます。俳句では「額の花」とよばれることが多く、季語は夏。

ガクアジサイの花の外側を囲んでいるのは装飾花(そうしょくか)といい、「萼(がく)」つまり花のもっとも外側にある器官です。いっぽう、内側にある粒の小さい部分は、雄しべと雌しべの両方が備わっている両性花(りょうせいか)です。

「ガクアジサイ」の「ガク」は「萼」でなく「額」のほうが使われます。装飾花を「額縁」のように見たてたことに由来するといいます。

ホンアジサイとガクアジサイの関係は、品種改良の後と前、つまり子と親のようなものといえます。ガクアジサイの額縁にあたる装飾花を、ほぼ花全体にしたものがホンアジサイです。

どちらの花の姿を見ても「アジサイが咲いている」と感じることができるのは、それほど日本人がアジサイに親しみ、愛しんできたことのあらわれかもしれません。

では「ホンアジサイとガクアジサイのどちらが原種に当たるか」と問われれば、多くの人は変化に富んだかたちをしていて野性味のあるガクアジサイをあげるのではないでしょうか。

そして、都会のなかに咲いているガクアジサイを目にすると、俳人の森澄雄(1919-2020)が詠うように、旅ごころに駆られる人も多いのではないでしょうか。

参考資料
深秋会 2017年6月5日付「額の花こころばかりが旅にでて」
http://yasumasa.jp/2017/06/05/post_3515.html
デジタル大辞泉「額紫陽花」
https://kotobank.jp/word/額紫陽花-460050
大辞林第三版「額紫陽花」
https://kotobank.jp/word/額紫陽花-460050
続・樹の散歩道「アジサイとガクアジサイの2種類の花を改めて検分する」
https://kinomemocho.com/sanpo_ajisai.html
| - | 21:56 | comments(0) | -
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