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「皮膚 → 視床下部 → 皮膚」の経路で汗が出る

写真作者:Gideon Tsang

6月に入り、日本国内では最高気温30度を超える真夏日や、35度を超える猛暑日になったところもあります。6月前半に猛暑日が出ても、あまり驚かれないようにもなりました。

暑くなると、人は汗をかきやすくなります。どのようなしくみで、暑さから汗が出るのでしょうか。

体の表面を覆っている皮膚には、温度を感知する感知器があります。皮膚で感知された温度の情報が、背骨のなかを走る脊髄に向かいます。

さらに、この温度の情報は、脊髄の先とも脳の入口ともいえる脳幹の一部である外側腕傍核というところに伝わります。

さらにさらに、この情報は脳幹よりもすこし前のほうにある視床下部の視索前野というところまで達するといいます。

この視索前野は、皮膚での感知を始まりとする温度情報を受けとると、今度はからだの皮膚のほとんどの場所にある汗腺、つまり汗を分泌するところに向けて、汗を出すように命令を出します。からだのまわりの暑さでからだに熱がこもっている状態に対し、汗を出すことで熱のこもりを減らせることを視索前野は知っているのです。

なお、ヒトでは、汗の出るところである汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺という2種類があり、暑さにより汗が出るのはエクリン腺のほう。アポクリン腺のほうはわきの下などに局在していて、毛穴の奥にあり、こちらは緊張したときなどに生じる汗が出ます。

かといって、暑いときにわきの下から汗が出ないわけではありません。わきの下には、アポクリン腺だけでなく、エクリン腺もあるからです。

参考資料
名古屋大学大学院医学系研究科統合生理学分野「これまでの研究成果 体温・代謝調節、感染性発熱、ストレス反応の仕組み」
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/physiol2/Study-J.html
日本生理学会「059.体温の調節に必要な温度感覚経路」
http://physiology.jp/science-topic/5939/
脳科学辞典「体温調節の神経回路」
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/体温調節の神経回路
花王 汗ケアラボ「何のために汗はあるのか?」
https://www.kao.co.jp/8x4/lab/article01/
花王 汗ケアラボ「汗にも種類がある!?」
https://www.kao.co.jp/8x4/lab/article02/
日本大百科全書「視床下部」
https://kotobank.jp/word/視床下部-73342
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