科学技術のアネクドート

<< 必然的な意匠が「街なみ」をつくる | main | 「釣りあう」から「お釣り」 >>
滞りをなくし、最後まで達してもらう

写真作者:Dave Herholz

多くの人が知らない概念やしくみを、人々に伝わるようにすることは、それを伝える人にとっての挑戦であり、やりがいでもあります。

できることであれば伝え手は、自分の伝えたいことの最後までを、人びとに伝わるようにしたい。たとえば記者は、科学や技術の記事を、最後の1文まで読んでほしいわけです。そこまでいかなくとも、せめて、途中で読むのをあきらめられたといったことは避けたいものです。

しかし、現実は甘くありません。おそらく10人いれば9人以上が、伝え手の用意した記事などを、最後まで読まないことでしょう。ウェブの記事を何ページかに分け、ページごとの閲覧数を確かめれば、それは一目瞭然です。

そうなると、「読んでいるときに滞るところを、いかになくしながら、最後まで伝わるようにするか」が伝え手には求められます。

記事のとくに本文で使う専門用語を最低限に絞るというのは、その一手といえます。伝えたい概念やしくみに用語が入っているとします。その用語を記事に使うことは、「そうよばれている」ということを伝えるためにも許されるとしましょう。

しかし、その主となる用語を説明するために、べつの用語を使うことがあります。用語を使って用語を説明することになります。すでにこの段階で、かなりの読者の滞り、読みとばし、記事ばなれが心配されます。

さらに、使う用語が増えれば増えるほど、記事ばなれのおそれは高まっていきます。

使わなければならない用語を「たとえ」で表し、初出以降はたとえを使うといった工夫もあります。しかし、その工夫の効果も限界があります。

伝えたいことの核心となる用語を除き、使わなくても済む用語は使わないようにする。これを記事の始めから終わりまで貫くことが、最後まで伝わるようにするための第一歩となります。
| - | 23:59 | comments(0) | -
コメント
コメントする









CALENDAR
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE