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父、母子たちから距離をとる


写真作者:Haruhiko Okumura

カルガモの親子たちが引っこしするようすが、各地で見られます。より広い水辺や、より餌のとれる水辺など、より子育てに適したところへに移るのだとされています。

カモのひなたちに、孵ったあとの一定の時間内で、なんらかの物体のあとを追わせると、「刷りこみ」という学習によって、そのひなたちはずっとその物体のあとを追うようになるとされます。「刷りこみ」によって、親カルガモのあとを、なかば自動的に追う子カルガモたちのすがたが、多くの人の目には健気でかわいらしく映るわけです。

ところで、カルガモの親子が見られるときは、たいてい1羽の親と何羽かの子どもたち。成鳥が雄雌のつがいにならなければ、子カルガモは生まれてきません。では、両親のうち、もう1羽はどこにいるのでしょうか。

引っこしや子育てなどを担っているのは、母カルガモのほうとされます。つまり、あまり目撃されないのは、父カルガモのほう。

父カルガモは、子育てについては関与しないといわれます。母とともに父が懸命に子育てをするツバメなどとは対照的です。人の子育てにたとえると、好感がもたれなさそうですが、そういう生態なのだから、しかたありません。

けれども、すべての父カルガモが母カルガモとのつがいを解消し、まったくべつのところへ行ってしまうのかというと、そうでもないようです。


つがいかも
写真作者:Toshihiro Gamo

たまに目撃談として、母カルガモと子カルガモがともに行動をとっているところからちょっと離れたところで、雄のカルガモの姿が目撃されることもあるといいます。また、カラスなどの敵が母子に近づくと、それを追いはらうようなべつのカルガモが見かけられることもあるとのこと。

これらのちょっと離れたところにいるカルガモは、父親である可能性があるかもといいます。

カルガモの雄雌は見分けがつきづらいものの、どちらかというとからだの色の明暗差がはっきりしているのが雄といいます。母子カルガモとちょっと距離をおきながら、遠目にようすを見ていそうな雄カルガモがいたら、父親かもしれません。

参考資料
バードリサーチ水鳥通信 2010年11月号「カルガモ家族、人工浮き巣で子育て」
http://www.bird-research.jp/1_publication/Waterbirds_newsletter/waterbird_news_201011.pdf
ブリタニカ国際大百科事典「カルガモ」
https://kotobank.jp/word/カルガモ-47602
日本の野鳥識別図鑑「カルガモの親子でしょうか?」
https://zukan.com/jbirds/question/6446
らくだむしのしぜん日記 2012年7月1日付「カルガモのつがい オスメスの見分け方」
http://rakuda-mushi.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-6184.html

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