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生物・化学系ライター大平万里さんの新連載「生物進化を食べる」始まる


ウェブニュースのJBpressで、きょう(2019年)4月26日(金)「生物進化を食べる」という連載が新しく始まりました。執筆者は大平万里さん。2018年4月から2019年3月までJBpressで「考究:食と身体」という連載に寄稿してきた「生物・化学系ライター」です。

「生物進化を食べる」は、「なぜヒトが『その食材』を食べることになったのか」を、地球上でヒトや生きものがたどった「進化」からひもといていくもの。1話ごとにひとつの食材に光を当て、その食材に隠された「生物進化のドラマ」を知り、味わいます。

第1話で主役となっている食材は「イシクラゲ」。屋上や空き地などで、ゼラチン状の生きものとして見かけることがあります。食べることもでき、よく人びとはイシクラゲを「海藻みたいなもの」と考えて料理するようですが、進化の視点ではイシクラゲと海藻類は大きく異なるもの。

記事では、生きものの進化のしかたをしめすとともに、いまの生きものを「バクテリア」「古細菌」「真核生物」という三つの分類に分けた「系統樹」という図を示しています。イシクラゲは、系統樹のなかでは「バクテリア」のなかの「シアノバクテリア」の一種に分類されます。いっぽう、海藻で多いのは「バクテリア」とはべつの「真核生物」という領域ににある「紅色植物」とされます。イシクラゲと海藻類はおたがい遠い位置どうしにあるわけです。

第1話で大平さんがイシクラゲをとりあげたのは、イシクラゲも属するシアノバクテリアが「元祖」だから。なんの「元祖」かというと、光合成をおこなう生物としてのです。ほかのよりつくりが複雑な植物よりもはるか前の27億年前からシアノバクテリアは光合成をしはじめ、酸素をつくりだしてきました。

このことから大平さんは「私たちが日々食べている生物のほとんどは、生きてゆくのに酸素を必要とする。すなわち、私たちが食べているものは、シアノバクテリア以降に出現した生物が大半なのである」と述べます。

シアノバクテリアに属する生きものとしては、イシクラゲのほかにスイゼンジノリやスピルリナもあり、これらも食べることができます。大平さんは「太古のシアノバクテリアの遺伝子を受け継いだ『27億年前の味』と思えば、その淡白な風味も感慨深いものになるのではないか」と味わいかたをすすめています。

「生命進化を食べる」第1話「イシクラゲは27億年の生物史が詰まった味だった」は、こちらです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56210

第2話以降は、じょじょに時代を進めて、新たな食材を主役に据えていくことになりそうです。「生命進化を食べる」は毎月最終週の金曜日に掲載の予定です。
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