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系統樹「英字3文字」は「門」仲間


ウィキペディア「系統樹」より

生きものの類縁関係を樹木のように表したものを「系統樹」といいます。さまざまに分類される生きものも、もとをたどれば共通祖先にたどりつく、という考えにもとづいています。

ウィキペディアの「系統樹」の項目には、「細菌(バクテリア)」「古細菌(アーキア)」「真核生物」という3種類に大きく分かれている系統樹を見ることができます。

そこで示されている生きものの種類やその括りのよびかたは、見なれないものだらけ。orz。コンピュータの変換ソフトを使っても、一発でカタカナに変換されないものもざらにあります。

ここでは、とりいそぎアルファベットで示されているものがなんなのかを見ていきます。

まず「細菌(バクテリア)」のなかにあるのが「CPR細菌」。共通祖先とごく近い位置にあります。CPRとは、“Candidate Phyla Radiation”の頭文字をとったもの。“Candidate Phyla”は「候補門」、つまり生物分類の一段階である「門」の候補 を指します。また“Radiaton”はここでは「放散」を指すようです。ネイチャーでは「放散に属する35を超える細菌」が「CPR細菌」であると説明しています。

おなじく「細菌(バクテリア)」のなかの「グラム陰性菌」には「FCB」という3文字が見られます。FCBは“Fibrobacteres, Chlorobi, and Bacteroidetes”の頭文字をとったもの。それぞれ「フィブロバクター門」「クロロビウム門」「バクテロイデス門」という門を意味し、これらの仲間を群として捉えた括りとされます。「クロロビウム門」は「緑色硫黄細菌」などにより構成されます。

「グラム陰性菌」には、ほかに「PVC」とよばれる群もあります。これは、“Planctomycetes, Verrucomicrobia, and Chlamydiae”の頭文字をとったもの。それぞれ「プランクトミケス門」「ウェルコミクロビウム門」「クラミジア門」を指します。これらの仲間を群として捉えた括りとされます。

つまり、FCBやPVCは、その下に書かれてある3つずつの門を括った群を意味するわけです。これとおなじ括りが、「真核生物」にある「SAR」。“Stramenopiles, Alveolata, and Rhizaria”の頭文字をとったもの。それぞれ「ストラメノパイル門」「アルベオラータ門」「リザリア門」を指します。

また「古細菌」の「ナノ古細菌」にある「DPANN」は、“Diapherotrites, Parvarchaeota,. Aenigmarchaeota, Nanoarchaeota, Nanohaloarchaea”の頭文字をとったもので、それぞれ「ディアペロトリテス門」「パルウ古細菌門」「アエニグム古細菌門」「ナノ好塩古細菌門」「ナノ古細菌門」「ミクル古細菌門」を指します。

いっぽう、おなじく「古細菌」の「ロキ古細菌」にある「ASGARD」は、「アスガルド古細菌」とよばれ、これは“Asgard archaea”や“Asgardarchaeota”のように綴られます。

「細菌(バクテリア)」「古細菌(アーキア)」「真核生物」という3種類の大きな括り方による系統樹は、研究者たちに提唱されて間もないため、分類のしかたはまだ大きく揺れています。それだけ新しく熱を帯びた分野であるともいえます。

参考資料
ウィキペディア「系統樹」
https://ja.wikipedia.org/wiki/系統樹
『ネイチャー』2015年7月9日付「微生物学:未知の細菌を知る」
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/65566
ウィキペディア「FCB群」
https://ja.wikipedia.org/wiki/FCB群
天海のホームページ(Tenkai Homepage)「細菌界(バクテリア(真正細菌)ドメイン)(Bacteria)」
http://taxonomy.html.xdomain.jp/taxonomy/bacteria.html
写真で見る生物の系統と分類「SAR(=ハロサ亜界 Subkingdom Harosa)」
http://natural-history.main.jp/Tree_of_life/Eukaryote/Chromalveolata/Chromalveolata.html
ウィキペディア「DPANN群」
https://ja.wikipedia.org/wiki/DPANN群
アスガルド古細菌
https://ja.wikipedia.org/wiki/アスガルド古細菌

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