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遠くにきていることを伝えたがる

写真作者:Apprentice Tran

メールや電話などを使うとき、冒頭で「自分はいまどこにいる」ということを伝えようとする人がいます。とりわけ、自分のふだんの生活場所から遠くにいればいるほど、それを伝えたがる傾向がありそうです。

「いまね、じつは沖縄にいるんだけどね……」

「こんにちは。鈴木@ヒースロー空港です……」

相手からすれば、電話もメールも遠方からのものであるということを知っておく必要性はそう高くはありません。固定電話であれば、長距離だと電話代がかかるので知っておいたほうがよいでしょうが、携帯電話の多くは距離で電話代がかわることはあまりありません。メールについてもおなじです。

ということは、遠方に滞在している人が、つい「自分はいまここにいるんだ」と伝えたくなるなにかがあるのでしょう。

たしかに、旅や出張というものは、日常生活からすると特殊性の高いものです。ふだんは乗らないような飛行機や鉄道などに乗り、めったに訪れることのない場所に行き、家の部屋とは異なる寝床で寝るわけですから、高揚するのでしょう。

そしてその高揚の度は、おそらく自分がふだん生活している場所から遠く離れれば離れるほど、そして自分が過去に行ったことのないところであればあるほど、高まるものではないでしょうか。

たとえば、東京で暮らしている人が横浜に行ったからといって、「いま横浜です」と伝えることはあまりないでしょう。しかし、その人がなんらかの理由で南極を訪れていたり、あるいは大気圏外を出ていたりすれば、むしろ「いま南極にいます」とか「いま月面から連絡しています」と伝えないほうが違和感を覚えるのではないでしょうか。それほど、自分自身にとっては特殊性の高い場所にいるからです。

自分が遠方まできていることを、伝える必要はないのに伝えたくなるというのは、そこまで遠くにきているということを、相手に驚いてほしい、あるいはすくなくとも知ってほしいという高揚感の発露と捉えてよいのではないでしょうか。
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