科学技術のアネクドート

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社会とおなじように教育でも情報化


世の中では、情報通信技術が発達していくばかり。当然ながら学校でも「教育の情報化」が進んでいくことになります。

小学校では2020年度より、中学校では2021年度より新学習指導要領が全面的に実施されます。文部科学省は、新たな指導要領で「学習の基盤となる資質・能力」として、言語能力や問題発見・解決能力とおなじく「情報活用能力」もそのひとつと位置づけています。

これまでも、文部科学省は、2010年に「教育の情報化に関する手引」を示し、教科指導における情報通信技術活用の考え方を示してきました。その内容がどのようなものだったか見てみます。

まず、情報通信技術を使われかたについて。「手引」は、準備や評価のために教員が情報通信技術を使うことも情報通信技術活用のひとつとしています。けれども、より子どもたちに直接的な効果をあたえるのは、もうひとつの「授業での活用」でしょう。

「授業での活用」についても、さらに、教員が情報通信技術を使う場合と、子どもたちが情報通信技術を使う場合とに分けています。

教員が使うときの例示の多くは「映像や音声といった情報の提示」とし、教員による発問、説明、指示とも関係が深いともしています。

いっぽう、子どもたちが使うときの目的は「情報を収集・選択したり、文章や図・表にまとめたり、表現したりする」ことや、「繰返し学習によって知識の定着や技能の習熟を図る」ことなど「教科内容のより深い理解を促すため」としています。

具体的にどのような授業で情報通信機器を使うとよいのか。「手引」は、その例も示しています。

たとえば、小学6年生の理科の「月と太陽」の単元では、教員は「月の表面の様子について、児童に驚きと感動を与えるように、デジタルテレビなどを活用して、大画面で鮮明な映像を拡大提示する」ことで、子どもたちの興味・関心を高める効果をねらえるとしています。ほかにも教員が情報通信技術を使うことで、児童生徒一人一人に課題を明確につかませる、わかりやすく説明したり児童生徒の思考を深めたりする、児童生徒の知識の定着をはかる、といった効果もねらえるとしています。

いっぽう、子どもたちが情報通信技術を使う例では「『電流とその利用』において,コンピュータなどを活用して、生徒の探究の目的に合わせたデータ処理や、グラフを作成したりそこから規則性を見いだしたりする」(理科第1分野)や、「『気象とその変化』において、気象に関するデータを長期にわたって観測する際に、コンピュータなどで自動記録できる装置やセンサーを活用して、観測したデータと天気の変化の関係について考える」といったことを示しています。

「手引」は、小学校、中学校、高校における、それぞれの教科での情報通信技術の使いかたを幅広く示しています。これは、世の中での使われかたとおなじように、情報通信技術が教育でもあまねく使われうることを意味しているといえます。

「ICTそのものが児童生徒の学力を向上させる」のではなく「ICT活用が教員の指導力に組み込まれることによって児童生徒の学力向上につながる」のであるということも念を押しています。これも、世の中での情報通信技術がおもに、なにかをするための手段であることと合っています。

参考資料
文部科学省 2019年2月4日付「『教育の情報化に関する手引』作成検討会について」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056_01/gaiyou/1413459.htm
文部科学省 2010年10月29日発表「教育の情報化に関する手引 第3章 教科指導におけるICT活用」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/13/1259416_8.pdf
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