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運転手側がつぎの停留所を伝え、乗客側が応じる



公共の乗りもののなかでも、バスに乗るときにかなりの緊張感を強いられるという人は多いのではないでしょうか。小銭はあるか、料金をきちんと支払えるか、行き先はあっているかなど、乗ってから降りるまでにさまざまな課題が生じうるからです。このブログでも、「『整理券による後払い方式』に技術と信頼」という記事で、ふだん都市部のバスしか乗らない人にとっての「整理券による後払い方式」のむずかしさなどについて触れています。

「どの瞬間に降車ボタンを押すか」も、絶対的な正解が決まっているものではないようすです。ですので、これも乗る人にとってのちょっとした課題になります。

押す瞬間が非常に早い人は、前の停留所からバスが出発した直後あたりにボタンを押します。しかし、これは運転手に「いま停まった停留所で降りたいのか。つぎの停留所で降りたいのか」と惑わせるため、まずもってすべきでないと考えられます。

前の停留所から離れて、バスがしばらく走ってからという瞬間はどうでしょう。これは、よくある瞬間ではないでしょうか。ただし、「自分の降りるバス停に近づいたらボタンを押そう」と楽しみにしている子ども客より先に押してしまい、子どもをがっかりさせることは、できれば避けたいものです。

そのつぎのありうる瞬間としては、「つぎは、知恩院前、知恩院前です」などと、車内放送が流れたときです。この瞬間のボタン押しは、最善の方法であるとさまざまな記事・媒体でも書かれています。放送が流れたときに降車ボタンを押せば、つぎの停留所で降りるという意思表示をもっとも明確に示せそうです。しかも、意思疎通のかたちとしては、運転手側が、音声機械によるものであっても「つぎは知恩院前の停留所ですよ」とよびかけたのに対し、おなじくボタンであっても「降ります」と答えているので、不自然ではありません。

車内放送が流れてしばらくしてから停留所が近づくまでのどこかの瞬間というのも避けたほうがよさそうです。停留所の直前までバスが進んでいると、運転手が停車しづらいだろうからです。

バスマニアのなかには、車内放送が流れてから降車ボタンを押すまでの最善の間隔を極めようとする人もいるとかいないとかいいます。乗客、運転手、そして自分。そのバスに乗っているだれにとっても、自然に感じられる心地よい「呼応」をめざしているというわけです。

参考資料
ドライバー・タイムズ 2018年6月14日付「バスの降車ボタンはいつ押すのか・終点で押すべきか|タイミング」
https://driver-times.com/driver_job/driver_bus/1053717
路線バス運転士になった元ウェディングプランナーの乗務日誌 2015年8月26日付「バスの降車ボタンはいつ押すの? 運転士目線で解説します!」
https://driverk.com/archives/542

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