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「視野角120度に対し画面100度」の臨場感が8Kの意味

写真作者:JC

きのう(2019年)1月13日(日)付のこのブログの記事「『意味ない』と『あまり意味ない』では意味がちがう」では、パナソニックの社長が8Kテレビについて報道から問われた質問に対する答えについてとりあげました。「(あまり)意味ない」と答えたのは、「番組がかぎられたなかで、8Kテレビで商売することはできない」といった内容のものでした。

いまのテレビの主流であるフルハイビジョン、それにフルハイビジョンの次に登場した4K。これらとくらべたときの8Kテレビの“見えかた”には、大きな「意味」があります。それは、4Kまででは得づらい「臨場感」を得られるというもの。

フルハイビジョンの画素数は水平方向で1920。4Kではその2倍の3840。8Kではさらに2倍の7680となっています。画素数が大きいほど、画像や映像きめ細かく映されます。

この画像や映像のきめ細かさは、テレビを見るときの最適な距離に影響してきます。いま主流のフルハイビジョンテレビに近づいていくと、レッド、グリーン、ブルーの3色でなる画素が見えてしまいます。すると人の脳は、実物のものを見たときには見えない画素を見ているとわかり、臨場感を得られなくなってしまいます。そのため、フルハイビジョンのテレビでは、テレビの高さの3倍の距離を置いて視るのが、画素の粗さを感じることのない視かたとされます。このときの、テレビの左右両端と人の眼がなす角度は30度といいます。

しかし、テレビを遠くから見れば、テレビの枠の外側にある壁なども目に入ってしまうもの。これもまた臨場感を得られない要素となっています。

その点、8Kテレビに近づいても近づいても、なかなか画素が見えてきません。8Kテレビでは、テレビの0.75倍の距離まで近づいて視て、ようやく画素の粗さを感じるかどうかといったことになります。

8Kテレビの画面に対してとても近い距離にいても、画素の粗さを感じずに画像や映像を視られるわけです。このときの、8Kテレビの左右両端と人の眼がなす角度は100度となります。

一般に、人の視野角は120度とされますので、100度の角度でテレビ画面を見ているということは、「視野のほとんどがテレビ画面に占められている」ことになります。

これが、8Kテレビを視ているときの、特別な没入感をつくるわけです。この「100度」こそが、8Kテレビのもっとも大きな映像効果であると評価する専門家もいます。

参考資料
シャープ「8Kの技術について」
http://www.sharp.co.jp/aquos/sharp8k/technology/
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