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2019年は「国際節度年」

参考資料:Rikki's Refuge

国際連合は総会でその年の「国際年」を決めています。2019年は「国際先住民言語年」「国際元素周期表年」であるとともに「国際節度年」(International Year of Moderation)です。

国際先住民言語年は、先住民の言語が失われつつあることを人びとに気づかせ、文化の多様性につなげようとするもの。また、国際元素周期表年は、元素周期律の発見から150周年となるこの年に、自然科学の発展の功績を称えようというもの。

いっぽう、国際節度年では、「節度」という程度や姿勢に目を注いだもの。対話、寛容、理解、協力などを推しすすめることで「節度の声」を増やしていこうという努力のもと進められるものです。

国連は2017年12月に総会で「5月16日を平和共生の日」とすることを決めました。このとき採択書に表題として掲げられたことばが「節度」(Moderation)でした。そして、2019年を「国際節度年」とすることも決めました。

「節度」という表題は、マレーシア代表が主提案者となって決めたもの。総会は「節度」には、平和、安全、発展を支える価値があるので推進しましょうということを、国際社会に訴えました。なお、135か国がこの提案に賛成し、米国とイスラエルが反対したそうです……。

国際節度年を紹介する情報のなかで、「節度とはなにか」を説いたものは見つかりません。採択書での「節度」にかかわる文言をひろってみると……。

「(節度は)テロリズムにつながるような暴力的過激主義と向きあい、対話、相互信頼、理解を進めるうえで大切な価値であり方法である」

「(節度は)平和と安全、発展、人権という国連の三つの柱の発展をより強くする」

「(節度は)土地、国、地域、国際の各レベルで推しすすめるものである」

暴力主義に対しては暴力をもって対抗をという考えかたが根強くあるなかで、節度という考えをもって問題や問題の対象に向きあおうという姿勢を国連が示したわけです。米国とイスラエルだけが反対したという点は、いまの世界を象徴しているようでもありますが……。

しかし、「国際節度年」の認知度はきわめて低いもよう。2019年1月2日の時点でインターネットの検索ではわずか1件。“International Year of Moderation“で検索しても4490件しか当たりません。

節度とはどのようなものであり、世界の人が節度についてなにをできるのかを国連がより示すことが、国際節度年の理解につながっていくことでしょう。

参考資料
United Nations General Assembly “Resolution adopted by the General Assembly on 8 December 2017”
http://undocs.org/A/RES/72/129
United Nations 2017年12月8日 “Resolutions Promoting Moderation, Establishing International Day of Living Together in Peace Adopted by General Assembly”
https://www.un.org/press/en/2017/ga11989.doc.htm
2019 International Year of Indigenous Languages
https://en.iyil2019.org/#
国際周期表年2019
http://iypt2019.jp
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