科学技術のアネクドート

<< NHK午前3時48分の“あれ“は「インターミッション」という番組 | main | お地蔵に塩 >>
「わが家の裏にはごめん」はだれにも生じうる

東京都港区が児童相談所「子ども家庭総合支援センター」(仮)の整備について(2018年)12月14日(金)と15日(土)、区民などに説明会を開いたところ、施設を置くことに反対の声を挙げた区民がいたということで話題になっています。



建設予定地は、くすのき通りに面したところ。地下鉄の駅の地図を見ると、まわりをカタカナやアルファベットで表記された店がとり囲んでいることがわかります。



現場は更地の状態。地価の高い南青山では、広い土地が充てられるといってよいでしょう。



金網には、この土地が支援センターの用地であり、港区が所有・管理していることを示す看板と、話題になった説明会を案内する看板が掲げられています。

児童相談所は、児童の生活全般について、保護者や学校からの相談に応じ、必要な指導や措置をとることを役割とする施設です。根拠となる法律は、児童が健やかに生まれ育つことをめざした「児童福祉法」です。

自分の家族以外の子どもが健やかに過ごすことをよいことと思うか、また、そのための施設があることは大切だと思うか、と聞かれれば多くの人は「はい」「はい」と答えるでしょう。

しかし、その施設が自分の住んでいる地域につくられることを受けいれられるかと聞かれれば「はい」と答える人は減ってしまうでしょう。社会的に大切だという考えるより、自分の暮らしに影響するのではという不安を抱く人が多くなるからです。

「わが家の裏にそうした施設をつくるのはごめんこうむりたい」という感情や態度は、NIMBYとよばれることがあります。“Not In My BackYard”の頭文字などをとったものです。今回の「反対の声」は典型的なNIMBYであるという見かたもあります。

ただし、NINBYについては、港区の一部の住民でなくても、人であれば起こりうる感情です。それが明らかに反対表明する程度のものか、心のなかで不満を抱く程度のものかはべつとしても。

今回の「反対の声」は、お金もちが多いと見なされがちな港区民(の一部の人)が発言していること、さらにその発言が「土地の価値を下げないでほしい」「まちのブランドイメージが傷つく」などの明らかな反対表明であることなどから、社会の大多数が反感をもったようです。

しかし、「あまりに利己的な人たちだ」「高慢な態度だ」と批判しているだけでは、反対住民を改心させることはむずかしそうです。

当事者になればだれの心にもNIMBYは生じうるものであるということを前提にして、その影響をいかに小さくするかを考えていくことが、より現実に即した対処法となります。

参考資料
日テレNews24 2018年12月17日付「南青山に児相…反発『区民を愚弄するのか』
http://www.news24.jp/articles/2018/12/17/07412022.html
厚生労働省「児童相談所の概要」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv11/01-01.html

| - | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sci-tech.jugem.jp/trackback/4817
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2019 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE