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整流子とブラシで電流を流さない時間をもたせる

直流電動機

電流には、流れる方向が変わらない直流と、時間とともに流れる方向や大きさが変わる交流があります。このうち、直流の電流によって動かす電動機(モーター)を「直流電動機」といいます。

鉄道模型やラジオコントールカーなどには直流電動機が使われています。模型づくりの趣味で「マブチモーター」などの小型直流電動機を買ったことのある人もいるのではないでしょうか。

こうした直流電動機では「整流子」と「ブラシ」とよばれるふたつの部品が使われています。

直流電動機における整流子とブラシの役割は、ともに、回転部分であるコイルに「電流を流さない時間をもたせる」ことです。ごく単純なつくりのコイルは羽子板あるいは鋸の輪郭をなぞったようなかたちをしたものですが、ここに電流を流さない時間をもたせるわけです。

その目的はどういったものでしょう。それは、電流を流したとき、羽子板の輪郭をしたコイルが一定方向に回転せず、「裏、表、裏、表」とめくりつづけるように180度の半回転をくりかえしてしまうのを防ぐためです。コイルが「裏、表、裏、表」と半回転をつづけていては、「回転する」という電動機の目的を果たせませんから。

直流電流機では、電源の正極と負極のあいだにコイルをつないで、コイルに電流が通るようにします。そして、コイルの両脇に磁石のN極とS極をそれぞれ置きます。

こうしておくと、「フレミングの左手の法則」にしたがって、羽子板の輪郭をしたコイルがまわりはじめます。フレミングの左手の法則とは、左手の人さし指、中指、親指をおたがい直角に曲げたとき、人さし指を磁場、中指を電流の方向に向ければ、親指の方向が電磁力の方向を示すという法則のこと。

ところが、コイルに電流が絶えまなく送られつづけると、羽子板の輪郭をしたコイルが半回転したあと、今度は逆向きに回転をはじめてしまいます。磁界の向きはそのまま変わらないのに対し、電流の向きがそれまでと逆になってしまうからです。

こうならないためには、コイルが180度まで回転したところで、いったん電流が流れない時間をもたせること。そうすると、コイルは逆回転をはじめず、惰性でそのままの方向に181度目、182度目……と回転をつづけます。

その後、電流が流れない時間が終われば、ふたたびコイルに電流が送られます。そのときのコイルにおける電流の向きが逆になることはありません。つまり、コイルが逆回転を起こすことはありません。

整流子もコイルの回転に合わせて回転しますが、くぼみがついているためブラシに接触しない時間ができます。これが「いったん電流が流れない時間をもたせる」ことになるわけです。

参考資料
中学理科ポイントまとめと整理「中2物理 モーターの仕組み」
http://chuugakurika.com/2017/11/02/post-321/
youtube「モータの動作原理.wmv」
https://www.youtube.com/watch?v=psaeWCF4N2I
ウィキペディア「直流整流子電動機」
https://ja.wikipedia.org/wiki/直流整流子電動機
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