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化学反応が温泉の「色」を生む
温泉にはさまざまな「色」があります。無色、茶色、黒などあるなか、とりわけ「温泉らしさ」を思わせる色は「乳白色」ではないでしょうか。

一般に、温泉が乳白色になるのは、硫化水素の反応によるものとされます。硫化水素の分子は、水素原子2個と、硫黄原子1個からできています。これが空気に触れると、空気をなりたたせている分子のひとつである酸素分子と反応します。なお酸素分子は酸素原子2個でできています。

 2H2S + O2 → 2S + 2H2O

このような反応がおきるというわけです。すると、反応後は硫黄と水に。水は、温泉の水分になるいっぽう、硫黄のうち水に溶けきらない細かい粒子が水のなかを漂います。これは硫黄コロイドともよばれます。

水のなかに漂っている硫黄コロイドが光を乱反射するため、全体的には色が白くなるというわけです。

ただし、こうした温泉が色を呈するしくみについては、まだ解明しきれたわけではないようです。たとえば、温泉が純粋な白でなく、すこし青緑色がかることもあります。群馬県・干俣万座温泉にある万座温泉の湯畑は、写真にあるようなやや青緑色がかった乳白色をしています。


万座温泉の湯畑

この青緑色がかる理由のひとつ説としては、つぎのようなものもあります。中性の状態では、硫黄に加えて、水素原子1個と硫黄原子1個からなり負の電化を帯びた硫化水素イオンが反応して黄色くなり、さらに炭酸カルシウムなどによる光の散乱で青色になり、この黄色と青色があわさって緑色のようになる、というわけです。

参考資料
バスクリン「温泉の色の謎をひも解く」
https://www.bathclin.co.jp/happybath/温泉の色の謎をひも解く/
温泉探訪 温泉漫遊記「白濁色」
http://www.onsen.world/modules/onsen/index.php?cid=62
ゆこたび「にごり湯について知りたい!」
https://www.yukoyuko.net/yukotabi/archive/b00025
ウィキペディア「にごり湯」
https://ja.wikipedia.org/wiki/にごり湯
高松信樹・桑原直子「緑色温泉の呈色機構」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslim/73/0/73_0_119/_pdf
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