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「基盤」のうえに新たな火山岩石



山は、森林で覆われたり、似た色をした岩石で敷きつめられています。そのため、地層がむき出しになっていないかぎり、「ここは昔から岩石があったところだけど、ここは新しく火山岩が積もってできたところ」といった見分けがつきづらいものです。

しかし、調べてみれば、もとからあった岩石でできたところ、新たに加えられた岩石でできたところに分けられるはずです。

群馬県北西部には「草津白根山」とよばれる山があります。大きく、標高2171メートルの本白根山と、その北側の白く濁りぎみの青緑色をした湯釜をたたえる白根山からなります。

2018年1月には、本白根山の中腹あたりから噴火し、噴石で1人が亡くなりました。このように、草津白根山はいまもさかんに活動しています。このように、およそ170万年前からいまにかけて活動している火山は「第四紀火山」といいます。

しかし、本白根山と白根山のまわりに広がる岩石を除けば、この山の「基盤」をなしている岩石は、もうすこし古い時代の火山岩なのだといいます。それは、およそ6500万年前から170万年前にかけての火山である「新第三紀火山」によるもの。基盤となっている火山岩の厚さは1000メートル以上になるとも考えられています。

とはいえ、基盤の岩石と、新たな岩石では、そう見た目がちがうものではありません。草津白根山一帯の岩石は、安山岩とよばれる日本ではありがちな岩石か、流紋岩というより密度の低くて白っぽい岩石の成分がまざったデイサイトという岩石でできています。新第三紀でも第四紀でも、さほど成分に差はないわけです。そのため、明確に「ここは新第三紀火山でできたところ」「ここは新第四紀火山でできたところ」と分けることはできないようです。

けれども、熱水の効果などによって変質した度の高い岩石は、古くからそこにあったと考えられます。研究者たちはこうしたことを手がかりに、昔からの岩石と、新たな岩石を分けようとします。

草津白根山の基盤をなす岩石は、大きく北西から南東にかけて傾斜をつくるように広がっていました。そのなかで、本白根山や白根山が噴火をくりかえしていったわけです。すると溶岩などは、南東のほうへだらだらと広がっていきますから、草津白根山一帯としては北西側に急、南東側になだらかな非対称のかたちとなるわけです。

産業技術総合研究所の「日本の火山」では国内のさまざまな火山とそのまわりの地質図を掲げています。草津白根山の地質図から、こうした山のかたちがつくられていった過程を思いうかべることもできます。

参考資料
産業技術総合研究所 日本の火山「草津白根」
https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/kusatsushirane/text/exp03-1.html
ウィキペディア「草津白根山」
https://ja.wikipedia.org/wiki/草津白根山
火山学者に聞いてみよう「噴火をとらえる 第三紀火山・第四紀火山」
http://www.kazan.or.jp/J/QA/topic/topic90.html

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